若い女性に「泥棒!」と叫ばれ  犯人扱いされた68歳男性の悲劇的人生

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警官の業務上過失致死罪は問わず

   こうした状況から、事件後4日経った2004年2月21日に四日市南署が男性は無実であると断定したと報じられた。しかし、女性が見つからなかったため捜査は継続され、時効が成立した翌日の11年2月18日に「実際に窃盗の事実があったかどうか分からなかった」との意見を付けて男性を書類送検していた。

   とすると、男性の財布を巡ってもめた女性が「泥棒」だったのだろうか。

   男性の妻(70)の代理人をしている成田清弁護士は、取材に対し、こう明かす。

「女性が犯罪者で、何か悪さをして、その隠蔽のため声を上げたのかもしれませんが、それは分かりません。あくまでも想像に過ぎませんから」

   女性が別の泥棒を勘違いした可能性については、否定的だ。

「現場には、この2人しかいませんでした。そもそも女性が叫んだ後にいなくなるのは、変でしょう。警察は捕まえている人が本当に泥棒なのか確認しないといけなかったですね」

   もみ合っていたのが男性の財布を巡ってであることは、当時から分かっていたという。

「警官が制圧中に、男性は別の警官に財布を見せたんですよ。その警官は財布を開けて男性の免許証を見たと言っていますが、20分間も女性を捜しに行っていました。見たというのはウソだったのか、それとも男性の財布と思いつかなかったのか…」

   ネット上では、警官の制圧について、過失があるのではないかという声が出ている。この点について、成田弁護士は、こう漏らす。

「刑事告発するつもりはありません。親族に警察の関係者がいてできないんですよ。気の毒ですよね」

   男性への制圧は、妻が三重県に損害賠償を求めた訴訟の1審判決で、限度を超え違法とされた。しかし、死因であることは否定され、現在は双方が控訴している。

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