フジテレビの情報番組「Mr.サンデー」は2011年3月6日の放送で、2月6日放送回にコメンテーターとして出演していたキャスター・木村太郎氏のK-POP人気に関するコメントが誤解を招いたとして謝罪した。
この日の放送に木村氏の姿はなく、司会の滝川クリステルさんが、「韓国政府のブランド委員会が広告会社にYoutubeのK-POP動画の再生回数を増やすように言っている」という木村氏の発言について、韓国の国家ブランド委員会から「特定の映像に対して再生誘導を依頼したことはない」との指摘を受けたと説明した。
そして、
「木村さんの発言の真意は、韓国ではK-POPを自国の文化的財産として大切にしていて、多くの人々に見てもらうため政府としてもその普及に取り組んでいるというもので、特定の映像を再生誘導しているという意味ではありませんでした」
と弁解したうえで、「誤解を招く表現がありました。大変失礼致しました」と謝罪した。
ブランド委員会が不快の意表明
2月6日放送のK-POP特集で、日本でヒットを目指す韓流アイドルが徹底したレッスンを受けていることに司会の宮根誠司さんが触れると、木村氏は「レッスンだけじゃないんですよ」とし、
「韓国政府の中にブランド委員会があり、K-POPをブランド化しようと力を入れている」
「何をやっているかというと、広告会社に言って、Youtubeなどに載っている動画の再生回数を増やしている。そういうことを、国を挙げてやっている」
と主張していた。
この発言に対し、韓国紙の中央日報は2月28日、国家ブランド委員会のイ・ジンスク事務官の
「大衆文化を国家がコントロールするのは常識的にありえない。あきれてしまう」
「どうすれば地上波でそのような謀略を、ろ過なく放送できるのか、不快だ」
というコメントを紹介していた。
国家ブランド委員会は、韓国国家のブランド価値を向上させることを目的に09年1月に設置された大統領直属の機関。番組の中で、謝罪を終えた宮根さんは、「国家ブランド委員会というのがあるんですね」と驚いて見せた。
Youtubeに投稿されたK-POPアーティストの動画の再生回数が多いのは事実で、1000万回以上再生されている動画も珍しくない。世界的に人気の米ポップス歌手、ジャスティン・ビーバーさんの動画が5億回近く再生されていることを見れば不自然ではないが、ネットでは、2000万回以上再生されているにもかかわらずコメントが1件しか付いていない動画もあることなどを理由に、「人気ねつ造」を疑う声が絶えない。今回の謝罪後も、
「ココまですると逆に韓国政府が関わってますって言ってるようなもんだろ」
「韓国の言い分が正しいかもどうかもわからんのに謝罪してどうする。まず(木村氏の主張の)根拠を公表させろ」
「フジテレビが圧力に屈した」
といった反応が出ている。