全国初電気自動車のカーシェアリング 月額2000円に時間と距離料金を加算

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   日産自動車の電気自動車(EV)「リーフ」が沖縄県などのレンタカーに加え、カーシェアリングで大阪府内に登場することになった。2010年12月に発売されたリーフは、これまで沖縄県内など一部でレンタカーとして採用された実績はあるが、本格的なカーシェアリングにリーフが採用されるのは全国で初めてという。

   短時間、短距離の移動が多いカーシェアリングはEVとの相性がよいとされるが、充電時間や航続距離などを含め、本当にEVに優位性があるのか、真価が問われることになる。

短時間利用ならガソリン車よりEVが安くなる

   レンタカー大手のオリックス自動車が2011年3月1日から、大阪府内でリーフ10台を登録会員に貸し出すサービスを始める。オリックス自動車は2009年から東京都内で三菱自動車の「アイ・ミーブ」と富士重工業の「プラグインステラ」の軽サイズのEVを用いたカーシェアリングを行った実績があるが、小型車サイズの本格EVであるリーフの採用は初めて。

   自治体レベルでは東京都町田市がリーフを使い、カーシェアリングの実証実験を行うなどしているが、商業ベースでリーフを一般に貸し出すのは今回が第1号だ。

   欧米で発達したカーシェアリングは1台の自動車を会員が共同利用するサービスで、日本でも普及が進みつつある。レンタカーが数時間以上の長時間の利用を前提にするのに対して、カーシェアリングは数十分から2時間程度の短時間、短距離の利用を想定しており、ガソリン車に比べて航続距離が短いEVにはうってつけというわけだ。

   このためオリックス自動車は「短時間の利用であればガソリン車よりEVが安くなる料金体系」を設定した。月額基本料が2000円で、あとは利用時間と走行距離によって加算される。リーフの料金は15分150円、1キロ30円で、ガソリン車は15分200円、1キロ15円となっており、最も利用が多い2時間で25キロ走った場合、リーフが1950円。これがガソリン車だと1975円となり、EVが割安になる。ただし、これ以上の距離を走ると逆転するという。

   大阪府内のリーフの貸出は、大阪、堺、豊中各市の6カ所の駐車場にリーフを合計10台配備して行う。会員は目的地までの時間や距離に応じて、リーフかガソリン車を選択することができる。

常にバッテリー残量とスタンドまでの距離を計算する必要が

   気になるのは、実際のリーフの使い勝手だ。オリックスはユーザーに対して「EV利用で失敗しないために」と題して、7項目を列挙。①目的地までの距離を検索②往復距離が120キロ以内であることを確認③充電できる場所があるか確認④運転中は走行可能距離をチェック⑤バッテリーが不足しそうな場合は、急速充電器で10分くらい充電。満充電すると時間かかるので、不足しそうであれば再充電――などと具体的に書かれており、ユーザーは神経を使いそうだ。

   リーフをはじめとするEVは夜間や雨天に渋滞に巻き込まれたり、真夏や真冬に冷暖房を使用したりするとバッテリーの消費が激しく、航続距離が短くなる。カーシェアリングと言えども、使い方しだいでは走行途中で充電スタンドを探し、15分程度の急速充電が必要になる可能性がある。大阪府の場合、肝心の充電スタンドは府内に約20カ所に過ぎす、3月末までに30カ所に増やすというが、ユーザーは常にバッテリーの残量とスタンドまでの距離を計算しなくてはならないだろう。

   事実、大阪市周辺では全国に先駆け、2月からリーフがタクシーとしても全国最多の50台走っているが、コンビニエンスストアなどに併設の充電スタンドでタクシー仕様のリーフが急速充電する光景があちこちで見られる。カーシェアリングのリーフが加わり、充電スタンドの利用が高まるのは必至だ。果たしてユーザーが急速充電による短距離走行をどう評価するか。EV普及の鍵を握るだけに、ユーザーの反応が注目される。

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