10年間に大学生16名が過度の飲酒で死亡
死亡事故には至らなかったが、京都教育大学では09年2月、卒業生の「追い出しコンパ」が開かれた際に、酒に酔った女子学生を集団準強姦したとして男子学生6人が逮捕された。京都教育大はこの事件以降、「未成年の飲酒や飲酒の強要の禁止が守られていなかった」とし、違反した学生は退学や停学の措置を取ると明示。また、「新入生歓迎コンパ」では、成人が含まれていたとしても、酒の持ち込みと飲酒を禁止した。
一気飲み防止などに取り組むNPO「アルコール薬物問題全国市民協会(ASK)」代表の今成知美さんによれば、同協会が把握しているだけでも06年から10年の間に大学生16名が過度の飲酒で死亡し、うち10名は未成年者だった。
今成さんは今回の佐賀大学の防止策について、学生の自治の分野にまで大学が踏み込み、厳しい措置を取る姿勢は評価するが、一般社会でもよくあるように、管理システムを作っただけでは、何のためにかが忘れられ、形骸化してしまう可能性があると警鐘を鳴らす。
「大学はアルコールが人体にあたえる危険性や、アルコールハラスメントなどの人権や心理的な問題を徹底して学生に教えるべきで、管理やシステム作りはそのうえでの話。管理だけでは根本解決にならないのではないか」