「スピード経営」目指すトヨタ 取締役を大幅削減、権限委譲

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悪い情報ほど経営幹部に届きにくくなる

   トヨタも日産も、販売競争の主戦場はいまやアジアなどの新興国をはじめとした海外だ。米国などの大規模リコール問題で躓いた「豊田社長」体制のトヨタだが、2010年4~12月期連結決算によると、世界生産台数は前年同期比6.2%増の551万7000台で、それによる連結売上高は5.0%増の14兆3516億円。本業の儲けを示す営業利益は約8倍にあたる4221億円と、再び勢いを取り戻した。

   グローバル競争に勝ち残っていくためにも、トヨタが「スピード経営」体制に移行するタイミングとしては好機といえる。

   豊田章男社長は2009年6月に、11代目として就任した。創業家出身ということもあって、否応なく注目が集まったが、直後から米国での大規模リコール問題の対応に追われた。その影響で売上げが大きく落ち込むなど、いわば「最悪」の船出だった。

   組織が大きくなると、悪い情報ほど経営幹部に届きにくくなる。おそらく、大規模リコール問題でそのことを痛感したのだろう。組織のスリム化による社内議論の活発化は、豊田社長の目指すところでもある。

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