商品価格高騰についても新興国と先進国が対立
商品価格高騰についても、今回会合で作業部会の設置が決まり、原因分析の結果が次回会合に報告される予定。だが、ここでも中国など新興国は「先進国の金融緩和であふれた投機マネーが商品市場に流れ込んだ」と主張してきたており、「新興国が成長を優先し、つい最近まで金融緩和を続けていたことも原因の一つ」(日本政府関係者)との声が強い先進国との言い分には隔たりがあり、議論は波乱含みだ。
さらに、今回は主に中東の反政府運動の一因とされる食料の高騰を主に念頭に置いた議論だったが、その後の石油供給への不安の高まりもあり、次回は石油問題が中心テーマになる可能性もある。
世界第2位の経済大国になりながら、硬直的な為替制度などで不均衡の火種になっている中国をG20の枠組みに巻き込んで、責任ある対応をさせることは、引き続き世界経済の最重要テーマ。同時に、中東を震源とする石油の供給不安が顕在化するようなら、世界経済の危機は新たなステージに立つことになる。「Gゼロ」状況の中で、G20がどう役割を果たしていくか、先行き不透明感は増すばかりだ。