京大などの入試漏えい事件で逮捕された仙台市内の男子予備校生(19)は、学力不足に悩んでカンニングに走った可能性が出ている。精神科などを探していると明かすほど、1浪して追い詰められていたらしい。
「バスケット部に所属していましたが、目立たない生徒だったと聞いています」
「英語の問題自体をよく把握してなかった」
山形県内の県立高校を卒業した予備校生について、同県教委の高校教育課では、こう明かした。
予備校生は、河合塾仙台校の京大文系クラスに所属していたが、同塾の経営企画部では、まじめな生活ぶりで、特に問題を起こしたとは聞いていないという。
それが、大胆とも思える行為に及んでいた。だれでも見られるQ&Aサイト「ヤフー知恵袋」に、携帯電話を通じて試験中に質問を投稿していたからだ。報道によると、予備校生は、独りでやったと供述しているという。
カンニングまでした背景には、英語や数学で学力不足が深刻化していたことがあるらしい。2011年3月3日放送のテレ朝系「スーパーモーニング」では、投稿内容から学力が難関大学レベルに達していなかったと分析した。
番組によると、早大の試験では、英文を短くまとめる問題で、予備校生は前半部分だけを和訳して質問し、重要な後半部分を省いていた。しかも、長い英文のまま回答が返ってきてしまっていた。出演した予備校講師は、「問題自体をよく把握してなかった」と話した。
また、立教大では、予備校生が質問した英文5問の穴埋め問題は、簡単な問題だったという。予備校講師によると、同大の受験生であれば平均4問以上は当てられたといい、「あまり意味がなかった」というのだ。