民主党、さらに「空中分解」 離党者は「河村シスターズ」

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   民主党内で「菅降ろし」の動きが加速するなか、いわゆる「小沢系」議員の1人が、ついに離党届を出した。愛知1区選出の1年生議員、佐藤夕子衆院議員(48)。必ずしもメディアへの露出は多くないが、どのような人物なのか。

   佐藤氏は2011年3月3日、岡田克也幹事長に離党届を提出し、河村たかし名古屋市長が立ちあげた政治団体「減税日本」に参加する考えを表明した。岡田氏は、離党届を受理せず慰留したものの、このまま佐藤氏が離党の意志を変えない場合、「除籍(除名)」処分にする見通しだ。

09年夏の総選挙で初当選

   佐藤氏は、幼稚園教諭や愛知県議会議員を経て、民主党が政権交代を果たした09年夏の衆院総選挙で初当選。だが、現時点の国会議事録を検索しても佐藤氏の名前はヒットせず、衆院議員としては必ずしもアクティブではないようだ。

   佐藤氏は、小沢一郎元代表に近い1年生衆院議員でつくる「北辰会」のメンバーとして知られているほか、田中美絵子衆院議員(35)と同様、河村氏の秘書を務めていた時期もあり、いわゆる「河村氏シスターズ」のひとりでもある。初当選を果たした09年の衆院選では、河村氏の後継候補として愛知1区から出馬。当選後の議員会館の部屋も、河村氏の部屋を引き継いだ。

県議時代も民主党内で「造反」

   河村氏が一貫して「減税路線」をとるのに対して、岡田克也幹事長は「財源が明らかでないまま言うのは、人気取り以外の何物でもない」などと批判を強めていることから、佐藤氏は板挟みになっていた形だ。さらに、11年2月の名古屋市長選で、党執行部が河村氏の対抗馬を擁立したことも、佐藤氏が「造反」するきっかけになったものとみられる。

   また、佐藤氏は、県議時代にも民主党内で「造反」したことがある。

   民主党県議団は08年3月の県議会で、(1)政務調査費は3万円以上の領収書を公開(2)費用弁償は1万5000円から9500円に減額することで自民・公明両会派と合意。条例改正案に賛成するように党議拘束をかけた。ところが、佐藤氏は07年の県議選で、政調費の全面公開と費用弁償の全廃をかかげて自民現職を破って初当選していたため、「公約を守りたい」などとして採決の際に退席した。県議団は、「規律に反した」として佐藤氏を厳重注意処分したが、佐藤氏は「間違ったことはしていない」などと譲らなかった。

   佐藤氏は、離党後は減税日本の1人会派を立ちあげる方針。減税日本は、次期衆院選では複数の候補者を擁立する見通しだ。

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