次期首相候補ともされる前原誠司外相ら3大臣に献金疑惑がある、と週刊誌などで報じられている。情報元は、「民主党関係者」「官邸スタッフ」と明かされ、政権末期の足の引っ張り合いではないのかとのうがった見方さえ出ている。
献金疑惑の情報は、2011年3月1日ごろからあちこちで一斉に漏れ出した。
前原外相らの情報が一斉に流れた
ジャーナリストの田中稔さんは、ツイッターで、週刊文春の3日発売号にスクープ記事が出るとつぶやいた。また、経済ジャーナリストの須田慎一郎さんがブログで、2月26日に収録したテレビ番組で近くスクープ情報を明かすとぶったのだ。
そして、ニュースサイトの日刊サイゾーは、「スクープ!」として、匿名ながらも疑惑の情報を伝えている。
文春報道などによると、前原外相は、大臣就任前の09年4月12日に開いたパーティーで、実際にはパーティー券を買っていない千葉県内の番組制作会社が50万円分を買ったと政治資金収支報告書に架空の記載をした。また、04年の脱税事件で有罪判決を受けて執行猶予中の元暴力団員男性が会長をしているメディア企業の傘下にある経営コンサルティング会社が、50万円分のパーティー券を買ったことになっている。
首相候補にも取りざたされた野田佳彦財務相については、コンサルティング会社の子会社が07年にパーティー券を40万円分買っていた。そして、この子会社は同年、都知事選でも名前の挙がった蓮舫行政刷新相が支部長を務める民主党支部に120万円を献金していたことも分かった。
出所は「民主党関係者」「官邸スタッフ」
こうした情報は、2011年3月2日になると各メディアも追いかけた。そして、民主党本部についても、06~08年のパーティー券のうち270万円分を経営コンサルティング会社などが買っていたと報じている。
当の3大臣も釈明を始め、前原誠司外相側は、架空記載について、「似た名前の会社を取り違え、誤って記載した」と説明。前原氏も記者団に「ペーパーを出します」と話した。
野田佳彦財務相は、2日の衆院財務金融委員会で、脱税事件の関連会社がパーティー券を購入したとすれば大臣の職責から適切ではないとして、返還を含めて検討する考えを示した。また、蓮舫行政刷新相は、時事通信の取材に対し、脱税事件は知らなかったとしながらも、道義的観点から返金すると回答している。
いずれも献金や記載に何らかの問題があったようだが、どうやら情報の出所は、民主党近辺のようなのだ。週刊文春は、出所を「民主党関係者」と明かし、日刊サイゾーは、「官邸スタッフ」とはっきり書いている。この騒ぎも、民主党の内輪もめの延長であり、政権末期だから出てくるリーク合戦の可能性があるが、真相はなお不明のままだ。