「OCN」会員に悪質勧誘が横行 「サービス廃止」「大幅に安くなる」

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   インターネット接続サービス(プロバイダー)「OCN」の会員をターゲットにした、悪質な電話勧誘が相次いでいる。電話の主にはOCNやNTTの関連会社を名乗る者もおり、プロバイダーを変えるようにそそのかすのだ。

   中には月額利用料金を偽って説明したり、勧めに従ってプロバイダーを乗り換えた後、解約しようとすると違約金を請求したりする悪徳業者もいるという。対策はあるのか。

NTT東日本やNTT西日本などと名乗る

悪質な勧誘に注意するよう促すOCN
悪質な勧誘に注意するよう促すOCN
「悪質なインターネット入会勧誘にご注意ください」

   OCNは2011年2月21日付で、このような注意喚起をウェブサイト上に掲載した。「OCNのサービスがなくなる」と虚偽を伝えたり、「OCNの料金より大幅に安くなる」と別のプロバイダーへと勧誘したりするケースが出ており、多くの問い合わせが寄せられているという。OCNから会員向けに送られたメールを見ると、NTT東日本やNTT西日本などを名乗って、さもOCNのサービスが終了するように説明し、その業者が勧めるプロバイダーへ変更するよう促してくるようだ。

   OCNを運営するNTTコミュニケーションズ広報室に聞くと、「このような電話をすることは一切ありません」と話す。勧誘の電話がかかってきたら「怪しい」と疑ってよいだろう。

   会員からは悪質なケースが報告されている。OCNの会員向けメールには、具体例として料金面でのトラブルが説明されている。例えばOCNの、光回線を使った接続サービスの場合、プロバイダー料1260円に加えて回線料金やモデムの利用料があるため、月額合計は最大6720円になる。ところが勧誘業者は、自分が勧めるプロバイダーなら月額1200円程度だと説明し、OCNと比べて大幅に安いと思い込ませるという。実際にはこの金額はプロバイダー料にすぎず、回線料は含めていないと見られる。

   さらにひどいものになると、月額料金か年額料金かをあいまいにして説明する事例や、業者の「口車」に乗せられてプロバイダーを変更したが、後から解約を申し出た際に違約金を請求された人もいたようだ。

「誤認」気づいて6か月間は契約取り消せる

   「OCNがサービス終了」と事実を偽り、月額使用料もウソ。プロバイダーを変えさせたうえ退会すれば違約金を払わせる。あの手この手で違法にカネを取ろうとたくらむ悪徳業者から、どうやって身を守ればよいのか。国民生活センターは、契約そのものを取り消すという方法があると説明する。

   特定商取引法第24条の2では、電話勧誘販売における契約の申し込み・承諾の意思表示の取り消しについて定めている。条文によると、売買契約において、業者の「不実のことを告げる行為」により申込者が「当該告げられた内容が事実であるとの誤認」をした場合、契約の申し込みや承諾の意思表示を取り消すことができるのだ。

   業者がウソの料金体系を説明し、それを事実だと信じていたが後になって騙されていたことに気づいた、という場合は該当するだろう。また、業者が「故意に事実を告げない」ことで、申込者が「当該事実が存在しないとの誤認」が生じた場合も同様の扱いとなる。国民生活センターによると、申込者自身が「誤認していた」と気づいたときから6か月間は契約を取り消すことができるという。

   「気づいた」ことを客観的に証明する証拠、例えば業者から送られてきた請求書を確認したら、契約書に書かれていた金額と比べて大きな開きがあったようなときは、これらを持って直ちに国民生活センターや弁護士に相談するのがよい。一方、業者から口頭で虚偽の説明を受けていた場合は、録音でもしていない限り証明するのが難しい。同センターではこのような場合も「すぐに相談してほしい」と呼びかけている。

姉妹サイト