ITジャーナリスト「30代受験産業関係者の可能性」
ITジャーナリストの井上トシユキさんは,ネットでの盛り上がり状況について「『行くぜCIA』にしても、どれもメッセージ性があるように見える。また、投稿の方法や意図も色々な考え方ができるので、探偵気分を味わえる非常に間口の広い事件」と語る。
その上で、「aicezuki」はカンニングしようとした受験生ではないと推測する。
「受験問題の得意な協力者を見つけて直接やりとりすればいいのに、なぜ人目のつくヤフー知恵袋を介しているのか。考えれば考えるほど不自然な点が目立ちます。これはむしろ、大学入試で不正が行われていることを注目させ、裏口入学や問題漏洩など、実際に不正を行っている当事者に警告するのが目的なのでは」
こうしたことから、大学受験の不正への義憤に駆られた受験産業関係者か大学関係者で、ITに強い30代の可能性があるとする。
警察は京都大学や早稲田大学など4つの大学の被害届を受け、ヤフーに投稿者のIPアドレスの提出を要請、本格的に調査に乗り出した。井上さんは「『aicezuki』はすぐ特定できると思いますが、パスワードが盗まれたり、同じIDを複数で共有していたりすると捜査が長期化するかも知れません」と話している。