韓国の貯蓄銀行で預金取り付け騒ぎ 不動産バブル崩壊で「業務停止命令」

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不良債権市場は10兆ウォンに膨らむ

   韓国の貯蓄銀行が経営破たんしている原因は、2008年にはじまった不動産バブルの崩壊だ。貯蓄銀行は不動産融資に積極的だった。集めた預金を不動産投資にからむ融資に振り向け、それが焦げ付いた。韓国の不良債権市場の規模は2011年に入って10兆ウォン(約7300億円)に膨らんでいると、朝鮮日報は報じている。

   そのため、流動性資金(預金などの払い出すための資金)の確保にも困っているというわけだ。

   隣国のこととはいえ、取り付け騒ぎはめずらしくはない。日本でもペイオフ解禁前の2003年に佐賀銀行でデマメールをきっかけに取り付け騒ぎが起こったこともあるし、海外ではサブプライムローン問題が吹き出した2007年に英国のノーザン・ロックで起き、ドイツやスペインに波及したこともあった。

   前出の枝川氏は、「ウォン安を背景にサムスンやLG電子の業績が好調なこともあって、日本では韓国景気はそんなに悪い印象がないようですが、財閥系との格差は大きく、全体としては厳しい。しかも、原油高や食料高の影響でインフレ懸念が広がっているのです。そんなところに処分を下したのですから、預金者の動揺は小さくないでしょう」と、韓国政府のやり方に疑問を呈す。

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