数学の6問を携帯電話から送信し、ネット上の回答を答案用紙に書き写す――。京大などの入試漏えい問題は、もし限られた時間内に試験官の目を盗んでこれを行ったなら、驚異のテクニックだ。そんなことが本当にできたのか。
京大で2011年2月25日に行われた文系数学の試験では、開始からわずか7分後に1問目がQ&Aサイト「ヤフー知恵袋」に投稿された。
複数犯説から大学への告発説まで
そして、それから6分後に2問目、7分後に3問目…。全6問が初めの40分ほどですべて打ち込まれている。しかも、数式を含む長い問題文もあるのに、句読点などわずか2か所しか書き写しの誤りがないのだ。
「これだけ問題文を打っていたのだとしたら、試験官は寝ていたのか?」
フジテレビ系で28日に放送された「とくダネ!」では、キャスターの小倉智昭さんがこう首をひねったほどだ。
こんな投稿に関わった人物は、試験開始直後に伝えられた4問目の訂正も生かしていることから、会場内にいた可能性が高いとみられている。しかし、その「犯人像」については、様々な憶測が出ているようだ。
まず有力なのが、複数犯説だ。この説が出たのは、携帯に数式などを短時間に見つからないよう打ち込むことが難しいことがある。そこで、携帯で問題文の写真を撮ってメールで協力者に送り、その協力者がヤフー知恵袋に投稿したのではないかというのだ。「ありがとうございます」と返答までする余裕があることも、この説の根拠になっている。
カンニング目的ではなく、いたずらや告発など別の目的ではないかという説も有力だ。限られた試験時間をやり取りに費やしており、試験に受かるために行っているとは思えないとの指摘がある。投稿者のハンドルネーム「aicezuki」が、逆から「行くぜCIA」と読めることもその根拠だ。特定の回答者にこっそりとメールで聞くのではなく、わざわざ公開サイトに投稿したのもその理由になるかもしれない。問題文流出の告発や内部犯行によるものとの見方もある。