後期大学入試でケータイ禁止を検討 金属探知機や電波探知機が必要?

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   複数の大学入試の問題が試験中に「Yahoo!知恵袋」に流出した問題で、高木義明文部科学相が、試験場に携帯電話を持ち込むことを禁止することを検討することを明らかにした。

   2004年に大規模なカンニングが発覚した韓国では、翌年から様々な対策が行われている。

   今回の問題をめぐって高木文科相は2011年2月28日、

「公正に行われるべき入試の公平性・信用性を著しく損なうものであって誠に遺憾」

とした上で、

「携帯電話を持参して試験場に入ることの是非をめぐって、さらに詰める必要があると思っている」

と、携帯電話の持ち込み禁止の可能性について言及した。11年3月に行われる予定の国公立大学入試の中期・後期日程についても、携帯電話の持ち込みについて早急に検討する考えを示した。

韓国の大学入試で大規模なカンニングが発覚

   韓国の大学入試で大規模な不正が発覚したのは、04年11月のことだ。日本のセンター試験にあたる「修学能力試験」で、携帯メールがカンニングに使われていたほか、替え玉受験も発覚。全国の受験生374人が立件され、314人の成績が無効とされた。

   このことを受けて、翌05年からは、様々な対策が行われた。携帯電話やMP3プレーヤーの持ち込みが禁止され、廊下にいる試験監督を増員した上で金属探知機を持たせた。さらに、試験場に1台ずつ電波探知機も設置した。替え玉を防ぐために、受験票の写真のサイズを拡大したほか、筆跡を確認するための欄を作るなどした。

   ただし、見送られた対応策もある。例えば、「試験時間はメールが届かないようにしたり、遅延させるようにする」という案は、通信サービスに大きな影響が出ることがネックになった。また、教室ごとに金属探知機を置くことについては、導入費用や、検査に時間がかかることから見送られた。

10年11月の試験で98人が不正行為で摘発

   だが、これほどの対策をしたとしても、不正は完全になくなる訳ではない。10年11月の試験では、98人が不正行為で摘発されたが、そのうち50人が、携帯電話やMP3プレーヤーなど、持ち込み禁止のものを持ち込んでいたことが原因だった。この50人という数字は、あくまでも「摘発された数」なので、実際に試験会場に携帯電話などを持ち込んでいるケースはさらに多いとみられる。

   さらに、受験生の不注意で不正行為だとみなされたケースもある。朝鮮日報によると、携帯電話の持ち込みが初めて禁止された05年の試験では、緊張のあまり携帯電話を預けるのを忘れていた受験生のアラームが、1時間目の試験開始30秒後に鳴り、不正行為だとされた。試験監督は、その時点では受験を続行することを認めたものの、受験生は動転してしまい、受験を断念したという。

   韓国では約1年間かけて携帯電話対策を進めたが、日本の大学入試で中期日程と後期日程が始まるのは、それぞれ3月8日と3月12日。仮に携帯電話の持ち込みが禁止されるとすれば、携帯電話を預かる際の手順など、混乱を生む可能性もありそうだ。

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