10年11月の試験で98人が不正行為で摘発
だが、これほどの対策をしたとしても、不正は完全になくなる訳ではない。10年11月の試験では、98人が不正行為で摘発されたが、そのうち50人が、携帯電話やMP3プレーヤーなど、持ち込み禁止のものを持ち込んでいたことが原因だった。この50人という数字は、あくまでも「摘発された数」なので、実際に試験会場に携帯電話などを持ち込んでいるケースはさらに多いとみられる。
さらに、受験生の不注意で不正行為だとみなされたケースもある。朝鮮日報によると、携帯電話の持ち込みが初めて禁止された05年の試験では、緊張のあまり携帯電話を預けるのを忘れていた受験生のアラームが、1時間目の試験開始30秒後に鳴り、不正行為だとされた。試験監督は、その時点では受験を続行することを認めたものの、受験生は動転してしまい、受験を断念したという。
韓国では約1年間かけて携帯電話対策を進めたが、日本の大学入試で中期日程と後期日程が始まるのは、それぞれ3月8日と3月12日。仮に携帯電話の持ち込みが禁止されるとすれば、携帯電話を預かる際の手順など、混乱を生む可能性もありそうだ。