告示まで1か月を切った東京都知事選に関して、石原慎太郎都知事が4選出馬について後向きと受けとれる発言をテレビでした。一方で、朝日新聞などの不出馬報道を受け、「逆に都知事を続ける気になった」との指摘も出ている。「石原氏が出ないなら立候補する」という姿勢の立候補検討組もいるようで、石原氏の去就にあらためて注目が集まっている。
「同じことを、人間、何回もやっちゃだめなんだ。人心もうんでくるしさ。やってる当人だってだれてくる」。石原氏は2011年2月27日、「新報道2001」(フジテレビ系)に中継生出演し、「ズバリ、都知事選とかってどうなるんでしょう」との質問にこう答えた。
「サーっと姿消すのがいいじゃない」
さらに、石原氏の「不出馬の意向」を報じた新聞記事について聞かれた際には、「(記事を)見ましたよ」と話した後、「うん、もういいよ、もう。何だかんだ言われながらサーっと姿消すのがいいじゃない。鞍馬天狗みたいに」と後半、少しにやっとしながら話した。
この石原発言については、朝日新聞が「引退示唆」と報じるなどしている。時事通信は2月27日夕、「石原氏『不出馬』にじます」と報じたが、記事では「ただ、都議会与党の自民党などが出馬するよう説得を続けており、最終的な判断までに曲折も予想される」と指摘している。
2月22日付夕刊で朝日新聞と東京新聞が、石原氏の「不出馬意向」を報じた後も、不出馬説一色に染まっているわけではない。
2月18日付朝刊で「石原氏 出馬の方向」と1面トップ(東京最終版)で報じた毎日新聞は、25日付夕刊「特集ワイド」の中で、22日の朝日などの報道に触れつつ、自民党の谷垣禎一総裁が「ガセネタでしょ」「(長男の石原)伸晃幹事長が否定したと聞きましたよ」と「周辺に話した」と書いた。石原知事3男の宏高・前衆院議員がノーコメントと前置きしつつ、「(不出馬)報道は誰が出るかを見極めるための呼び水かもしれない」と分析したことも伝えている。