娘の裸をサイトにアップ 中国の「婚活ブーム」過熱

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   中国で母親が26歳の娘の結婚相手を探すため、娘の裸をビデオ撮影し、その動画を婚活サイトにアップさせたと、台湾や香港の新聞やテレビ局だけでなく、アメリカ大手ニュースサイト「ハフィントンポスト(HuffingtonPost)」までが動画付きで大きく報じた。

   中国は今や空前の婚活ブーム。だが、仕事に忙しい適齢期の本人たちに代わって結婚相手を探すのはその親という場合が多い。女性の結婚適齢期は20歳から25歳。26歳になれば「売れ残り」といわれ、好条件の結婚が厳しくなる。それだけに母親が決死の覚悟で娘の裸を撮影しアピールするにいたった、ということのようだ。

約2億6千万人が婚活大競争

   動画を見てみると、ビデオカメラを持った母親が浴室にいる娘にカメラを向け、「あなたはいつまで私にあなたの背中を流させる気?」と問いかける。裸の娘は特に驚いた様子もなくカメラに裸を撮影させ、バスタオルを巻いた後に浴室から出てくる。母親は娘に向かって、

「私は、あなたが結婚の相手を探すのを助けようとしています」

などと語り、娘に自己紹介するように促した。娘はこんなことを話した。自分は現在ボーイフレンドはいないが、男性から相手にされないような酷い女ではない。今は結婚相手を探していて、こんな私を気に入ってくれる人もいるはず・・・。

   この動画は台湾や香港の新聞やテレビで伝えられた。アメリカの「ハフィントンポスト」も2011年2月23日付けで、

「26歳の娘の結婚相手を見つけるためにヌードを撮影した北京の母親は、世界中から驚きを持って注目されている」

などと報じた。

   中国は今や空前の婚活ブーム。11年2月22日付けの「人民日報」日本語版によると、中国国内には適齢期男女が約1億8千万人いて、子供の婚活を両親が手伝っている。その両親は8千万人いて、合計約2億6千万人の中国人が婚活に励んでいるという。

   なぜ両親が婚活に手を貸しているかと言えば、独身男女は仕事で忙しく出会う機会も、出会いの場も少ない。男性の方が女性より2割多く競争が激しいこともある。また、女性は男性の財力を求めているのに対し、若い男性は収入が少ないなど希望と現状とのズレがある。「将来の伴侶を探すための時間もエネルギーも持ち合わせていない」(人民日報)。そのため両親が一肌脱ごうとしているのだそうだ。

   公園に行けば両親が自分の子供のプロフィールを書いた紙や看板を持ち、情報交換をしている。「お見合いパーティー」などが開かれると出席するのは結婚を望む本人ではなく親だ。

1人っ子に「老後の面倒をみてもらわねば」

   京都の国際結婚相談所「かりん551」の取締役・土井康司さんによれば、中国人の結婚の7~8割がお見合婚。お見合い相手を見つけるために、プロフィールを公園で配ったり、掲示板に張り出すほか、有料でお見合い相手探しの事務所に頼んだりする。またSNSなどの交流サイトを使うほか、最近ではインターネットを使った「オンラインお見合い」が盛んになっているという。

   なぜこれほどまで親が婚活に熱心かと言えば、1人っ子政策以降、子に対する愛情が1人に集中するようになってきたこと。さらに、老後の面倒を見てもらいたくても子供は1人しかいない。

「中国の場合は家族の結びつきが強いですから、子供が結婚するということは自分の老後を見てもらえる、という明かしでもあるんです。どちらにしても現在の中国の婚活ブームは1人っ子政策の弊害が出ている、といえなくもありません」

と土井さんは説明する。

   今回の娘の裸を投稿した母親について土井さんは、極めて希な例だ、としたうえで、中国の場合は結婚適齢期を過ぎた男女への風当たりが強い上に、26歳を過ぎた女性は良縁に恵まれにくくなる。それは、中国人男性は日本の男性以上に年下の女性を選ぶ傾向があるからだそうだ。26歳からさらに年齢が上がればますます結婚相手の男性の条件が悪くなってしまうため、この母親はかなり焦っていたのではないか、と土井さんはみている。

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