「人気投票じゃないんだからね」
一方、会見を開いてはっきり「手を挙げた」のは、共産党政策委員長で前参院議員の小池晃氏(会見2月9日)と、飲食店チェーン大手の「ワタミ」創業者の渡邉美樹氏(同2月15日)の2人だ。いずれも無所属で立候補するという。
ネット上や政治関係者の間では、なかなか顔ぶれが出そろわない状況を懸念する声が出ている。東京の中央区議(自民党議員団)の今野弘美氏はブログ(2月16日)で、「政治的な駆け引きではなく、もし自分が都知事になったら、東京をこう変えたいなどのビジョン・グランドデザインを示し、有権者に浸透させる位の時間的余裕を持った戦いになることを願っています」と、候補予定者が出そろわない現状を懸念する指摘をしている。
また、個人ブログ「くろねこの短語」(2月23日)でも、「真剣に取り組むつもりなら、誰が立候補しようと関係なく、一日も早く意思表明をして、その理念を開陳して欲しいものだ」「人気投票じゃないんだからね」と、「後出しジャンケンのタイミングばかり見計らって」いる現状を批判している。
小池氏を擁立した「革新都政をつくる会」の中山伸事務局長にきいてみると、「石原都政をどう見るのか、都民のために何をしたいのか、そのためにどういう政策があるのか、こうした立ち位置がしっかりしていないから、手を挙げようにも挙げられないのではないでしょうか」と話した。
また、渡邉氏は2月15日の会見で、政策を都民に理解してもらうためには時間的にもうギリギリのタイミングだと話した。「後出しじゃんけん」ゲーム組に対し、暗に「政策を理解してもらう気はあるのか」「本当に政策を持っているのか」と皮肉った形だ。
東京都知事選は、3月24日に告示され、4月10日に投開票される。