「黒鉱」の精錬から生まれた高い技術
小坂製錬とその周辺にある秋田製錬や秋田レアメタル、日本ピージーエムといったDOWAグループで抽出できる金属資源の種類は、レアメタルを含めて22種類にものぼる。液晶パネルに使われる「インジウム」や半導体に利用される「ガリウム」や「セレン」、DVDの書き換え記録膜などに使われる「テルル」。「少量ですがビスマスや、プラチナやロジウムといった金属類も抽出できます」(DOWA・HD)と話す。
一般に、鉱石資源から採取できる金属の品質はほぼ一定になるとされる。ところが、スクラップから金属を採取しようとすると、さらに高い技術が必要になるという。「Fast Company」誌は、複雑に入り混じっていている「スクラップ資源」から、さまざまな金属を回収する技術を高く評価している。
DOWA・HDはレアメタルを抽出する技術について、「そもそも小坂鉱山で採れる鉱石は『黒鉱』といわれ、金や銀、また不純物も多く含まれていました。取り除いた不純物はそれ自身が資源になりますが、簡単には取り除けません。そこを一つひとつ克服してきたことで高い技術が身についてきました」と説明する。
中国やオーストラリアなどからの輸入に頼りきりのレアメタルだが、「都市鉱山」の活用に明るさが見えてきた。