秋田の精錬所が「世界の革新企業」 レアメタル抽出技術に高い評価

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   秋田県小坂町の小さな精錬所が、2011年世界の「最も革新的な企業」の14位にランクインした。

   米ビジネス誌「Fast Company」が発表したトップ50によると、第1位がアップル、2位ツイッター、3位にフェイスブックといった、世界の「超」有名企業ばかりが名を連ねる。日本企業では、電気自動車「リーフ」の一般市場向けの販売が評価された日産自動車が第4位で最高位だった。

   そんな中に登場したのが「小坂製錬」。1884(明治17)年創業という、銅や鉛の精錬や硫酸の製造を手がける会社で、DOWAホールディングス傘下のDOWAメタルマインの事業子会社だ。

スクラップから年間1万トンの銅

スクラップから金や銀、レアメタルも採取する小坂製錬(写真は旧高炉)
スクラップから金や銀、レアメタルも採取する小坂製錬(写真は旧高炉)

   小坂製錬について、「Fast Company」誌はスクラップになった古い電子機器や廃棄された携帯電話などから、金や銅、アンチモンなどのハイテク機器に使われている無数の貴重な金属を抽出することができる、と紹介している。

   秋田県小坂町は明治時代から鉱山で栄えた。金、銀からやがて銅や亜鉛が中心になり1990年代まで存続した。DOWAグループ発祥の地でもあるが、採掘の中止とともに過疎化が進行。町の動脈で、小坂製錬と大館市を結んでいた小坂貨物線も2009年に廃線となるなど、周辺はすっかり寂れてしまった。

   そんな町にある小坂製錬の転機は3年前。閉山後も輸入鉱石によって銅や鉛を精錬してきたが、そのウエートを下げてリサイクル事業主体に大きく舵を切った。国内のみならず、海外からもパソコンや携帯電話の基盤類や、廃電線などのスクラップを集めて、そこから金や銅、レアメタルを抽出する。いわば、貴金属回収とリサイクルの事業である。

   DOWAホールディングス(HD)によると、小坂製錬で採り出される金属の多くは銅で、スクラップなどから年間1万トンを生産するという。

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