歌舞伎俳優の市川海老蔵さん(33)については、酒場での乱行ぶりが裁判の証言などで次々に暴露されている。公演復帰は、早ければ2011年5、6月にもと一部で報じられたが、こんな状況で果たしてできるのだろうか。
海老蔵さんに厳しかった父親の市川團十郎さん(64)が11年2月18日、報道陣に対し、酒場にいた元暴走族リーダー男性(29)に初めて怒りを露わにした。
父親の團十郎さんが一方的な非難に激怒
「どういうことかな」
「警察や救急車を呼ばない方の証言を聞くなんておかしい」
海老蔵さんとこの男性は、10年12月24日付で示談が成立していた。しかし、男性はその後も、テレビで海老蔵さんの「酒乱」ぶりをバラしたり、傷害事件を起こした後輩の伊藤リオン被告(27)の初公判でも証言したりしている。
團十郎さんは、和解後も海老蔵さんを一方的に非難する男性に腹に据えかねたのかもしれない。
海老蔵さんが上申書で公判請求を望まないとしながらも、事件は法廷で裁かれることになり、伊藤被告の弁護側も情状酌量を訴えるのに必死のようだ。11年2月18日の初公判でも、海老蔵さんの主張に対し、真っ向から対立した。
海老蔵さんが調書で、元暴走族リーダー男性とは初対面で、伊藤被告はいきなり殴ってきたと明かしたのに対し、弁護側は、男性とは3年ほど前から知り合いで、海老蔵さんが先に頭突きをしてきたと反論したのだ。
証言に立った男性は、さらに、海老蔵さんが吸い殻が入った「灰皿テキーラ」を後輩らに飲ませようとし、一緒にいた女性にシャンパンをイッキ飲みさせていたとも暴露した。
裁判は、3月中には結審して判決も出るとみられており、無期限で謹慎している海老蔵さんは、5、6月には復帰するとも一部で報じられている。しかし、不利な証言でイメージが悪くなる恐れがあるなどする中で、果たして早期復帰は可能なのか。
歌舞伎界に詳しいある演劇関係者は、報道されているような早期復帰は難しいのではないかと言う。
「5月復帰はスケジュール的に無理」
「近々復帰の話はリアルに聞いていませんし、私は、5、6月の復帰はないものとみています。裁判は現在も進行中ですし、その落としどころも分かっていません。法廷で裁かれることになったのは、示談レベルでないことを示しており、海老蔵さんも警察の事情聴取が今後ないとは言い切れないでしょう。けじめがついているかどうかは疑問で、謹慎宣言してから期間が短すぎるのもネックになるはずですよ」
海老蔵さんの左目にダメージが残る可能性もあり、肉体的・精神的な面も影響が懸念されるともいう。
5月には、市川團十郎家にとって重要とされる「團菊祭」の公演が大阪である。しかし、この演劇関係者は、この公演での復帰は、スケジュール的にも厳しいとみる。
「逆算すると、4月初めには前売りすることになりますので、3月下旬には公演のアナウンスをする必要があります。とすると、3月中旬には復帰宣言をしないといけませんので、3月中の判決では、とてもできないのでは」
妻のフリーアナウンサー小林麻央さん(28)が妊娠5か月と分かり、7月に出産予定とされている。このままでいくと、復帰の喜びを第1子誕生とともにかみしめられるとは限らないようだ。
前出の演劇関係者は、伝統の歌舞伎界といえども例外ではなく、社会ルール逸脱への目も厳しくなってきていると指摘する。つまり、かつてのように武勇伝で済まされず、社会全体が寛容ではなくなっているというのだ。
「私は、市川家が、ゆかりの深い興行の團菊祭をわざわざ謹慎することで、1つの世間へのけじめにするのではないかと思っています」
なお、市川團十郎事務所も興行主の松竹も、復帰の話はまったくなく白紙状態だとしている。