リビア情勢が緊迫している。最高指導者カダフィ氏(68)を巡り、国外出国説が飛び交う一方、国営テレビにカダフィ氏が出演して出国を否定する一幕もあった。カダフィ氏はどんな人物なのか。同氏と3回面会したことがあるという、自民党の小池百合子・総務会長がテレビでその一端を明かした。
2011年2月22日、情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」(TBS系)で、録画で登場した小池議員は、カダフィ氏と会談した際に見た、壁に描かれた絵について説明した。
壁には「クーデター双六」の絵
「クーデターを起こすとこうなる」という絵が「スゴロクのように」描かれていたという。絵を見た人間が反乱を起こす気にならないようにすることが目的のようで、具体的な表現は放送されなかったが、反乱を起こすと恐ろしい仕打ちを受ける場面などがあったのだろうか。
また小池議員は、カダフィ氏が執務室の机に「明治天皇のお写真を飾っている」と話したことも明かした。カダフィ氏が民主主義国家をつくろうとして、「明治維新を参考にしたんですね」と、小池議員は解説した。
カダフィ氏は1969年、青年将校団メンバーらと無血クーデターで王政を倒した。当時大尉で27歳だったカダフィ氏はほどなく大佐となり、革命評議会議長になった。その後、組織改変やカダフィ氏の「公職退任」があったが、一貫して事実上の最高指導者として独裁体制を41年以上続けている。
ただ、建前は人民による直接統治、直接民主主義だ。国名、大リビア・アラブ社会主義人民ジャマヒリーヤ国にある「ジャマヒリーヤ」は、人民による共同体制、人民民主主義といった意味だそうだ。
ところで、「カダフィ大佐」と表記されることが多いカダフィ氏は、今も大佐なのだろうか。軍階級としては上位に少将、大将などがあり、「昇進」していても不思議はないはずなのだが。