金正日についての最も優れた情報源は「元寿司職人」
諜報機関の立ちあげは08年9月までに決まったといい、公電では
「日本は知識、経験、人材が足らないことを認識しており、立ちあげまでのプロセスは、ゆっくり進められている。人材教育のプロセスが、まもなく始まる予定」
と記されている。
前出の「ジ・エイジ」紙は、この諜報機関について、
「日本人は、我々よりも簡単に色々な場所に行けるので、特に中国や東南アジアでは、日本が再び諜報活動で主導的な役割を果たすことになるのは避けられない」
とのオーストラリアのアナリストの見解を紹介。仮に諜報機関が立ち上がった場合、それなりの成果をあげる可能性を示唆している。
また、公電では、日本の情報機関が北朝鮮をどのように見ているかについても明らかにされている。三谷氏は、金総書記は十分な政策決定能力を持っているものの、その決定がどのように(実行する機関に)伝えられているかについては「闇の中」だとしている。
さらに、金総書記の性格を理解する上での最も優れた情報源は、
「平壌での仕事ぶりについての暴露本を出した、日本人の元寿司職人」
とも告白。実名こそ出ていないものの、この「元寿司職人」が、1990年代に金正日総書記の専属料理人を務めた藤本健二氏のことを指すのは明らかで、現時点での日本の情報源の貧弱さを露呈している。