K-POPグループ「KARA」が韓国のネット上で批判に晒されている、と日韓マスコミが報じている。メンバー5人のうち3人が事務所を訴えているが、日本では笑顔なのに韓国では暗い表情だ、などと書き込まれているというのだ。
「KARA黙って解散してください~!」
「日本での活動が重要で、韓国のファンはどうでもいいのか」
朝日新聞の2011年2月18日付記事によると、韓国の主要ポータルサイト掲示板でこんなタイトルの署名運動が16日に始まった。記事では、訴訟を起こしたメンバーの親の1人が、訴訟に加わらなかったリーダーを無責任と批判する内容が報じられ、ネット上で不満が高まったことが大きな原因だとしている。
18日には、署名が223人にも達したという。2ちゃんねるでは、これがすでに2400人にまで膨らんだという情報もある。
韓国メディアでは、すでに韓国ネチズンの間でKARAへの不満が噴出していることが度々報じられている。
大手紙の中央日報は、14日の日本語版で、韓国のファンからは、「日本での活動が重要で、韓国のファンはどうでもいいのか」という声が相次いでいると指摘した。KARAが日本から帰国した翌日に訴訟を起こし、韓国では活動をしなかったというのが不満の理由だ。
さらに、同紙の日本語版は18日、韓国ネチズンは「なぜ日本では明るい表情なのか」「日本メディアの前だけで笑うKARA」などと不満を書き込んでいるとした。韓国出国時は、暗い表情でゲートを通過していたのに、羽田空港に着くと約500人のファンに手を振り、明るい笑顔だったというのだ。
こうしたことが報じられるようになった背景には、日本での活動ばかりに目を向け、韓国のファンを軽視しているのではないか、という強い不満があるからだとみられる。
韓国の空港ではファンはほとんどいない
KARAが、日本での活動を重要視しているのは、その市場が大きいことが影響しているようだ。
韓流コンテンツを扱う出版社の編集者は、こう言う。
「韓国の市場規模は、日本の3割にも満たないでしょう。日本の方が何十倍も大きいとも言われています。韓国では、ギャランティが発生するような有料のファンイベントはありませんが、日本ではたくさんあります。だから、市場の大きな日本への進出に力を入れるのは、ある程度仕方がないわけですよ」
さらに、所属レコード会社のユニバーサルミュージックと2012年7月まで日本で活動する契約を結んでおり、少なくともそれまでは日本では5人一緒でいなければいけないという事情もあるという。
とはいえ、KARAの表情の違いなどは、市場を意識したからとは限らないとする。
「韓国の空港では、ファンはほとんどおらず、実はマスコミばかりだったのです。これに対し、日本では、大勢のファンによる出迎えがあり、それを見て気持ちが和んだので明るい笑顔になったのでは。日本のマスコミが好意的な取材体制だったこともあるはずです。ですから、必ずしも韓国のファンを軽視しているというわけではないでしょう」
編集者は、韓国ネチズンが不満を持ったのも、韓国のマスコミがこうした情報を伝えないまま、むやみに騒ぎ立てたことが大きいとみている。