「選挙の無限ループほど、税金のムダ遣いの方法はない」
1月の出直し市長選のころに動画サイト、ユーチューブ(YouTube)に投稿された演説動画には「選挙の無限ループほど、税金のムダ遣いの方法はない」というコメントがつけられていた。一方で、阿久根の一連の連続投票について、「おかしなことでも不思議なことでも何でもない」と、肯定的に捉える見方もある。
市民グループ「国民投票/住民投票 情報室」の事務局長で、「住民投票 観客民主主義を超えて」(岩波新書)の著書もある今井一さんは、阿久根の一連の選挙・住民投票について、「混乱しているとかバカげているとか否定的に見るべきではない。むしろ民主主義のお手本と言っても良いくらいだ」と評価する。それほど、市民・住民が権利を行使して直接意思表示している意味は重いのだという。
「繰り返していく内に、いずれ収れんしていきます。回りくどいと思われるかもしれませんが、民主主義とはそういうものです。市民には投票するだけでなく、自身で立候補する道も開かれている」
また、阿久根市内のある商業関係者は、「選挙で税金がムダになるという人もいるが、明るい阿久根をつくる過程だと思って割切っている人も多いのではないか」と話した。阿久根市の名前は全国的に有名になったが、観光を含め経済的には「大きなプラスとはいかないが、マイナスにはなってないという程度かな」。