米CBSニュースの女性記者、ララ・ローガンさんがエジプトの反政府デモの取材中、暴徒と化した群集に襲われた。CBSが「性的暴行を受けた」と発表したこともあり、世界中に衝撃を与えた。
ローガンさんはイラクなど戦場リポートの経験が豊富な一方、「美人記者」として注目度も高かった。米国では「わざわざ危険な場所に彼女が行く必要があったのか」と議論が起きている。
「ララ・ローガンは生きていて幸運だった」
CBSによるとローガン記者は2011年2月11日、エジプト・カイロのタハリール広場で200人以上に囲まれ、同行していた取材スタッフと引き離されたうえで暴行を受けた。翌日には米国に帰国して入院、治療を受けた後に退院して自宅に戻ったと報道されている。
CBSの看板報道番組の特派員として活動するローガン記者は、かつてモデルだったと言われ容姿端麗だ。これまでイラクやアフガニスタンに従軍記者として同行し、現地からリポートしていた。エジプトで被害にあった日も、直前までデモの様子を伝えていた。その数日前までは自身の「フェイスブック」をたびたび更新し、「今夜のニュースでカイロの様子をお伝えします」などと書いていた。
だが、今回の暴行事件に関してローガン記者を「批判」する動きもある。米ブログメディア「ゲートウェイ・パンディット」を運営する米ブロガーのジム・ホフト氏は2月16日、「ララ・ローガンは生きていて幸運だった」「なぜこの魅力的な金髪の女性記者がわざわざタハリール広場でウロウロしていたのか」と投稿。危険な場所だと知ったうえで被害に合ったとし、「二度と同じことをすべきでない」と苦言を呈した。
ジャーナリストのニール・ローゼン氏は、「中傷」とも取れる言い回しをした。事件後、ツイッターで「ララ・ローガンは(著名ジャーナリストの)アンダーソン(・クーパー)を超えなければならなかった」と書いた後、「少なくとも彼女の役割は一流の『戦争屋』として記憶される」などと揶揄するような発言を重ねた。多くの非難を浴びた同氏は謝罪、勤務していたニューヨーク大学の職を辞することになった。