銀行団の一部に抜本策講じるべきだ、との厳しい意見も
実は、銀行団の一部からはAPに対し、スター銀の経営陣交代や新たな投資ファンドの参画など業績や財務の改善に向けた抜本策を講じるべきだ、との厳しい意見も突きつけられていたようだ。ところが、投資の損失を確定させたくないAPが抵抗したほか、APへの融資が不良債権化することで、貸倒引当金の積み増しを迫られることを恐れた新生銀行も抜本的な処理に反対した。
結局、「親会社のペーパーカンパニーの資本構成が変わるだけで経営陣は変わらず、銀行の債権放棄や引当金積み増しも必要ない」(関係者)という妥協策に落ち着いたというわけだ。
ひとまず決着したものの、APや銀行団が将来の損失を回避するには、スター銀を再建し、株式を当初の買収額を上回る価格で売却するしかない。しかし、今回の株式譲渡で「誰が主導権を取るのか分からない最悪の体制になった」(関係者)との指摘も出ている。スター銀の再建が難航すれば、今回の処理は単なる時間稼ぎに終わる懸念もありそうだ。