世界中の旅行者が互いに自宅を宿泊場所として提供しあうサイト「Couch Surfing(カウチサーフィン)」が日本でも注目を集めている。既に1万人以上が登録し、ネットには体験談がたくさん書き込まれている。
カウチサーフィンは、2004年に米国の非営利団体によってスタートしたサービス。欧米の20代の間で急速に普及している。
日本では1万5000人が登録、平均年齢29歳
利用者はまず、自身の名前、生年月日のほか所在地、言語などを書き込んでメンバーに登録。旅先で誰かの家に泊まりたいときは、その地域で登録しているメンバーの中から、顔写真や職業などのプロフィールと、他のユーザーからの評価を見て泊まりたいと思う「ホスト」を選択。
サイト内でメッセージをやりとりし、双方合意したら宿泊可能となるといった仕組みだ。「カウチ」はソファーという意味で、「ソファーぐらいなら空いてるけど泊まってく?」と気軽に交流しあうニュアンスなのだという。
宿泊は原則無料で、旅行者にとってはこれが魅力だ。宿泊以外に、現地をガイドしてもらうなどの選択肢もある。
2011年2月16日現在、全世界で246の国と地域のユーザーが登録し、合計254万人。アメリカが最も多い54万人、続いてドイツ(24万人)、フランス(22万人)となっている。
日本の登録者数は世界34位に止まっているが、04年のスタート直後から少しずつ増え、現在約1万5000人が登録。男女比は半々くらいで、平均年齢は29歳だという。
中には50人以上泊めたという人も
ネット上には、利用者の体験談が書き込まれている。男性の場合はヨーロッパをカウチサーフィンして現地の人の家に泊まりながら回るというケースが多い。20~30代の女性だと、女性のホストを見つけて宿泊することが多いらしく、「最初は不安だったけど皆さんいい人でした」などと書き込んでいる。宿泊先で、寿司を作ってあげたという報告も寄せられている。
また、日本で多いのがホスト役になって旅行者を泊めてあげる方だ。中にはこれまでに50人以上を泊めたという人もいる。「宮島に連れて行ったら喜んでくれた」「こっちも生活に彩りができた」といった感想もあるが、「オーストラリアから来た女の子の香水がきつくて凄い困った」「外国人がずうずうしいというのは本当。でも、無理なものは無理と伝えれば、『OK』といって納得してくれますよ」といった声も。受け入れ側はある程度事前にルールを提示しておく必要がありそうだ。
日本では、ニュースサイトで紹介されたことで一般からも注目を集めており、「面白そう、やってみたい」というのもあるが、「他のユーザーからの評価が高いからって信用できない」といった書き込みも寄せられていた。海外では、ホストが旅行者に家の鍵を渡してしまうこともあるらしいが、日本では今後どう普及するのか未知数だ。