国内市場では苦戦、95年度の半分に落ち込む
海外での「日本酒」をブームに終わらせないため、ある蔵元では日本酒と合う料理や「カクテル」の研究に乗り出した。日本酒造組合中央会は、「日本酒スクールの開催など、わたしたちも世界に向けて日本酒の情報を発信していきます」と力を込める。
そんな一方で、国内市場では苦戦が続いている。国税庁のデータをもとに日本酒造組合中央会がまとめた資料によると、日本酒の国内消費量は08年度で63万キロリットル。年々減少を続け、1995年度の126万キロリットルの半分にまで減った。
月桂冠では、「ハイボールのようにお酒の種類が増えたり、食材も豊富で欧米風の料理が増えたり、飲み方が変わったことが大きい」とみている。
また、老舗の蔵元が多い伏見酒造組合は「若者のアルコール離れに加えて、健康志向の高まりで年配の人も(お酒を)飲まなくなったことが伸び悩みの原因」と指摘。輸出は増えているものの、国内の落ち込みをカバーしきれていない、厳しい状況にある。
国内市場の掘り起こし、なかでも若者に飲んでもらおうと、伏見酒造組合では京都のホテルと協力して宴会やパーティーでの乾杯に日本酒の無料サービスを実施するなどの策を講じている。