「宮崎の温暖な気候が影響しているのでは」
さらに、県が「昨年立ち入り検査を実施した」と説明していた農場でも、実際は県の家畜防疫員が直接立ち入っていなかった例があったことも判明。「県自体の意識が甘かったのではないか」との批判も出ている。
県はその後、養鶏業者の管理獣医師らに任せていた立ち入り検査を、県の家畜防疫員や自治体職員が再度実施することを決め、改めて防疫態勢強化に懸命だが、行政への不信感がくすぶる。ただし、宮崎の態勢が、他県に比べて特別に悪かったとは言い切れない。
一方、研究者によっては「宮崎の温暖な気候が影響しているのでは」と天候要因を指摘する。例年なら朝鮮半島で越冬するのが、大陸が寒波で大雪になった影響で、カモやハクチョウなどがさらに南下して日本に来た、と指摘する専門家もいる。全国的に寒さが厳しいため、「鳥がエサとなる虫などを求めて、積雪のない、暖かい宮崎に多く集まった可能性もある」というわけだ。
当面、官民一体となった防疫の徹底で感染拡大を防ぐと同時に、宮崎でばかり感染が広がった背景の詳細な分析も必要になるだろう。