「ハッカー」も開発に必要なコード知ることができる
コンピューターセキュリティー大手のトレンドマイクロで会長を務めるスティーブ・チャン氏は2011年1月12日、米ブルームバーグの取材に対して、アンドロイドがアイフォーンのOSよりもウイルスの攻撃にさらされやすいと指摘。その理由は、「アンドロイドがオープンソースだから」とした。無償で提供されるアンドロイドは、開発者だけでなく悪意ある「ハッカー」も、アプリ開発に必要なコードを知ることができるからだ。
オープンなのはアプリ配信も同じだ。基本的に誰でも開発して販売できるので、悪質なウイルス拡散を起こしやすい。IPAに聞くと、今回のゲイニミウイルスが見つかった中国では、グーグルのアンドロイドマーケットからアプリの入手ができない仕組みになっており、「第三者の配信業者を頼るしかない環境」だと話す。そのためか、有料のアプリを無料で配るような「違反者」も多い。同様のケースは米国でも報告されているとIPAは説明する。
調査会社カナリスが2011年1月31日に発表した、2010年10~12月期の世界のスマートフォン市場動向によると、アンドロイド搭載機種が初めて世界シェアトップに立った。また同時期に、スマートフォンの出荷台数がパソコン(PC)を上回ったとの調査結果も出ている。スマートフォンは機能や仕組みがPCに非常に近く、ウイルス感染の標的にされやすい。拡大するスマートフォン市場で、アンドロイドがOSのシェアを増やし続ければ「ウイルス攻撃の脅威はさらに高まる」とIPAでは警戒している。