74歳イタリア首相買春で起訴 それでも支持率35%、連立与党支持

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   イタリアのシルビオ・ベルルスコーニ首相(74)の買春スキャンダルが、ついに舞台を法廷の場に移すことになった。これまでも、脱税や横領などスキャンダルには事欠かなかったが、今回は18歳未満の女性を買春していた容疑が持たれ、起訴にまで発展。首相側は全面対決の構えだ。

   ミラノ地裁は2011年2月15日、ミラノ地検のベルルスコーニ首相に対する起訴請求を認める決定をした。初公判は4月6日に予定されており、3人の女性裁判官が担当する。

有罪が確定すると最高15年の禁固刑

   ベルルスコーニ首相を起訴した内容は、ベルルスコーニ首相が当時17歳の女性を買春したほか、女性が窃盗容疑で身柄を拘束されていた時に職権で釈放させた、というもの。イタリアでは、買春自体は違法とされていないものの、18歳未満の女性を買春した場合は罪に問われる。仮に有罪が確定した場合、未成年者買春罪と職権濫用罪合わせて最高15年の禁固刑を受けることになる。

   17歳の時にベルルスコーニ首相と関係を持ったとされているのが、モロッコ出身のダンサー、カリマ・エル・マフルーグさん(18)。イタリアメディアが掲載した2人の通話の傍受記録によると、マフルーグさんが16歳の時から面識があったという。マフルーグさんは10年末に現地紙「ラ・レプブリカ」のインタビューに応じ、首相と関係を持ったことは否定している。だが、首相主催のパーティーの後に7000ユーロ(約20万円)を「贈り物」として受け取ったことは認めている。

相手の18歳少女は本のCMに下着姿で登場

   マフルーグさんのダンサーとしてのニックネームは、「ルビー」。このことから、一連の騒動は、米ニクソン大統領の辞任にまで発展した「ウォーターゲート」事件にちなんで「ルビーゲート」とも呼ばれている。

   マフルーグさんは2月14日、本のCMに下着姿で登場。ベルルスコーニ首相について「どうなろうと気にならない」と、突き放している。

   一方の、2か月後に初公判を控えるベルルスコーニ首相は「容疑には根拠がなく、茶番だ」などと反発。だが、その主張の内容には不可解な点が多い。マフルーグさんが拘束されている時に、警察に電話をかけたこと自体は認めているのだ。その理由は「エジプトのムバラク大統領(当時)に便宜をはかる」というもの。ベルルスコーニ首相の言い分によると、マフルーグさんは「私はムバラク大統領の孫」などと話していたといい、外交問題化を避けるために電話した、ということのようだ。

   2月13日には、イタリア国内外の約60都市でベルルスコーニ首相の辞任を求めるデモが行われ、「イタリアは売春宿ではない!」というスローガンを掲げる人もいたという。

   ただし、どういう訳か、1月には40%あった支持率は、「ルビーゲート」が本格的に問題化した2月に入っても35%程度を維持。加えて、連立与党も首相を支持している。スキャンダルが引き金となって辞任につながる可能性は低そうだ。

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