日本マクドナルドが期間限定商品として発売した「マイアミバーガー」。メキシコや米国南部の料理として人気のタコスをハンバーガーに取り入れている。
しかし、類似のメニューが既にドイツやフィンランド、スウェーデンといった欧州諸国のマクドナルドで販売されていた。マイアミバーガーは、外国のバーガーを参考に開発されたのだろうか。
フェースブックにスウェーデン語でファンページ
ハンバーガーの定番である牛肉とチーズの上にチーズやレタス、さらにトウモロコシを原料とした「トルティーヤ」のチップスやタコスミートを挟み、味付けはトマトチリソース。2011年2月3日に全国で発売開始されたマイアミバーガーは、見るからにボリューム感たっぷりだ。
新製品なのだが、実は海外のマクドナルドでも似たようなバーガーがすでにお目見えしていた。ドイツのマクドナルドでは既に、「ナチョビーフバーガー」という名のハンバーガーが販売されていた。現在、ドイツのマクドナルドのサイトにこのメニューは見当たらない。マクドナルド・ドイツの広報に取材すると、「キャンペーン商品として、2009年11月9日から10年1月10日まで販売していました。2011年の販売は予定していません」という。また、中身は牛肉やトマト、レタス、トルティーヤチップスで唐辛子風味の「メキシカンソース」を使っていたと説明した。
類似商品はドイツにとどまらない。北欧のスウェーデンやフィンランドでも、「エル・ナチョ」という名のタコス味のバーガーが販売されていた。肉は鶏肉と牛肉の2種類あるが、いずれもレタスやトルティーヤが乗っているのは同じだ。ただしこちらはサルサソースとサワークリームを使用。マイアミバーガーとは微妙に異なる味付けになっている。
エル・ナチョも期間限定商品だったようで、交流サイト「フェースブック」にはファンが集まって、スウェーデン語で「エル・ナチョを残してほしい」というページまで開設された。ファンのページは複数見られ、中には「エル・ナチョは神がおつくりになったものだ」との書き込みも登場し、根強いファンが多い様子をうかがわせる。
ドイツのナチョビーフバーガー「知らなかった」
仮にマイアミバーガーが、ドイツやスウェーデンで売られていたバーガーを参考にしたものだとしても、同じマクドナルドの製品だけに問題とはならないだろう。しかし、日本マクドナルドに問い合わせたところ、マイアミバーガーを発売する前にドイツでナチョビーフバーガーが販売されていたことは「知らなかった」(マーケティングPR部)そうだ。あくまでもマイアミバーガーは「日本オリジナル」との主張だ。
一方で、海外のマクドナルドでヒットしたハンバーガーを、日本で新メニューを開発する際の参考にするケースはあるという。ただし、実際に商品化されるケースはあまりなく、これまで実現した例も「メガマック」くらいだと日本マクドナルドでは説明する。また、タコスの本場メキシコや米国では、マイアミバーガーのようなメニューはなく、今後現地の店が販売するかについては「今のところ予定はありません」とのことだった。