アニメ化もされて大ヒットした谷川流さんのライトノベル『涼宮ハルヒの憂鬱』の続編が2011年5月25日に発売される。ファンにとっては4年ぶりとなる待望の新刊だが、アマゾンでは早くも1位になっている。
「涼宮ハルヒ」シリーズは03年に第1作が角川スニーカー文庫から発売。不思議なものが大好きな女子高生・涼宮ハルヒが、主人公の男子高校生・キョンらと学校非公式サークル「SOS団」を結成し、メンバーの宇宙人や超能力者とドタバタを繰り返すというストーリーだ。発行部数はシリーズ累計650万部にも上る。
08年から発売延期が繰り返される
06年にはアニメ化もされ、各種関連グッズがバカ売れするほどの大ヒットを記録。2010年に劇場版も公開され話題を呼んだ。
一方、原作のライトノベルは、07年春に9刊目となる『涼宮ハルヒの分裂』が発売。同作では、ハルヒのライバル的キャラクターが登場し、新展開が期待されたものの、08年から何度も新刊発売が告知されては延期が発表されるという繰り返しだった。
ネットでは「ストーリーが複雑になり過ぎて収拾がつけられなくなった」といった書き込みや、作者・谷川さんの安否を心配する声まであがっていた。しかし、10年12月末、雑誌『ザ・スニーカー』(角川書店)の11年2月号で新刊『涼宮ハルヒの驚愕(前・後)』が11年5月25日に発売されると発表された。
1月29日には初回限定版の内容が明らかに。64ページの特別小冊子などが付属するという豪華なもので、同日から予約を開始したのだが、早くも予約が殺到している。
中国、台湾、韓国でも同時発売
アマゾンでは、2011年2月16日現在、作家・西村賢太さんの芥川賞受賞作『苦役列車』などを抑えて書籍のランキングで1位。最近では、俳優・水嶋ヒロさんの処女小説『KAGEROU』が発売前から1位となっていたが、『涼宮ハルヒ』のように、発売3が月前で1位というのは異例だ。
角川書店は予約開始を告知するために、1月29日から2月5日にかけて同作のキャラクターが描かれた大型トレーラーを秋葉原や池袋などで走らせた。ネットには、そのときのトレーラーを撮影した画像が多数アップされており、「生で見たかった」「他の作品とは金のかけ方が違うな」といった書き込みが寄せられている。
また、中国や香港、台湾、韓国でも同時に発売することが2月10日に発表された。中国のネットメディアも報じており、中国語圏のネット掲示板には「同時発売って涙が出るな」「嬉しいんだけど、これまでのストーリー忘れちゃったよ」といったものが寄せられていた。