年末年始には「ハイテンションぶり」が指摘されることも多かった菅直人首相だが、初めて行った党首討論での受け答えの様子をめぐり、波紋が広がっている。指摘されているのは、異様な瞬きの多さ。「パニックに陥ったのでは」と指摘する夕刊紙もあり、ツイッターでも「もう限界」といった、「諦めモード」の書き込みが目立っている。
ハイテンションぶりは年末から
首相のハイテンションぶりが指摘されだしたのは、2010年末から11年初めにかけてだ。特に10年12月6日、臨時国会終了後に行われた会見の冒頭では、
「皆さんこんにちは、菅直人でございます」
と、これまでになく張りのある声でカメラに呼びかけ、個別の政策については比較的慎重な言い回しが目立っていたものの、最後に「この政権は結局何をしたい政権なんですか」と聞かれると、これまでの実績を一気に話し、
「残念ながら、野党の皆さんの代表質問には、そういった中身を真正面から受け止めた質問は少なかったし、場合によれば、メディアの報道も、必ずしも私が一番重点を置いたところについて、必ずしも多くの論評をしていただけなかったのは、若干残念」
などとまくしたてた。
12月20日に小沢氏を官邸に呼んで会談した際も、かなり強い調子で政治倫理審査会(政倫審)への出席を迫ったとされている。年が明けた11年1月4日の年初会見でも、小沢氏が強制起訴された際の対応について聞かれ、
「やはり政治家としての出処進退を明らかにして、裁判に専念されるのであればそうされるべき」
と、強気な姿勢を繰り返していた。この様子を、アエラの11年1月17日号は「葬式躁」と表現。記事の中で、精神科医の香山リカさんが
「このままだと最後が近いんじゃないかと動揺して気持ちが不安定になり、孤独にもなっている。だから防衛的に自分の弱みを見せないように『権力』とか突拍子もない強気の発言をする」
などと推測している。
この後、11年1月14日の内閣改造を経て一時は支持率が上向いたものの、予算審議は難航。最新の共同通信の世論調査では支持率が20%を切り「危険水域」に突入した。そんな中、波紋を呼んでいるのが、2月9日の党首討論の場での菅首相の受け答えだ。