官房長官「抑止力をもっている」
一方、鳩山発言について、その「軽さ」にはあきれつつ、「実態を率直に認めたもの」と肯定的に評価していこうという人もいる。沖縄では以前から「抑止(ヨクシ)力という理由付けはユクシ(ウソの方言)」との見方があった。沖縄の「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の共同代表を務める高里鈴代さんは、鳩山発言について「抑止力に立脚した日米共同声明の虚構性が交渉当事者によってあばかれた」と話す。「よくぞ本当のことを言った」というわけだ。
高里さんは、鳩山発言を逆手にとって、「政府が『沖縄に基地が必要』としていた前提(抑止力)が崩れた」と捉え、菅直人首相に日米共同声明の見直しを迫る機運の追い風にしたい考えだ。
また、鳩山インタビューに出てきた外務・防衛省による県外移設への抵抗などの対官僚問題について、「ただの言い訳」と切り捨てず、注目して改善していくべきだとも高野さんはみている。鳩山氏に対しては「謝罪して終わりで引退するのではなく、いち国会議員として、県外移設に向けてなすべきことがあるはずだ」と注文をつけた。
2月14日、鳩山氏は記者団からの質問に対し、「抑止力」発言報道について事実関係を認めた。一方、枝野幸男官房長官は同日、「(在沖米海兵隊について)日本の平和と安全に寄与する抑止力をもっている」と会見で述べ、鳩山氏に「反論」した。