AKB48メンバーの指原莉乃さん(18)が出演するテレビ番組が、金集めに使われていると、ファンらから不満が相次いでいる。携帯サイトでの投票が集まらなければ番組を打ち切るとしたが、それが有料サービスだったからだ。ただ、投票者全員にプレゼントをするとはしていた。スポンサー側は、「ご意見は今後参考にしたい」と言っている。
投票が呼びかけられたのは、TBS系で2011年2月8日の深夜番組として放送された「さしこのくせに」だった。
3万票集まらないと番組打ち切りを宣言
本人も当惑?
番組は、「さしこ」こと指原莉乃さんのアイドル育成をうたっており、この日は、指原さんに番組スポンサーから課題が与えられた。指原さんの携帯サイトを運営しているサイバードの堀主知ロバート社長が、サイト上で番組存続を希望するかどうかの投票を受け付け、存続希望が3月末までに3万票に達しなければ番組を打ち切ると宣言したのだ。
指原さんは、10年に行われて話題になったAKBの総選挙で、6704票の19位に留まっている。それだけに、番組では、「無理だよ!」と漏らしながらも、3万票を得るために頑張ることを明かした。
携帯サイトでは、投票者には、待受画面をプレゼントするとしたほか、動画のドラマも無料で視聴できるようになるとうたっている。しかし、投票するためには、月額315円を払って会員登録をしたうえ、1回の投票で50円がかかることになっていた。また、投票は上限なくできるとし、5種類の待受画面は、ランダムでプレゼントするともしていた。
投票が有料であることは、番組内では触れられていなかった。このため、ブログやSNSなどで、投票しようとしたファンらから不満の声が相次いでいる。
ミクシィでは、1万人以上が参加する指原さんのコミュニティで、「このやり方についてどう思いますか?」とのトピックが立ち、「せこい手段にげんなり」「さしこのイメージダウンになる」との声が寄せられている。
「ファンの方に特典で還元する」
指原莉乃さんのブログには、ファンらからコメントの書き込みが6000件以上も来ており、「投票しまくったよ」「300票まできたー!」などの報告もあった。
こうした反響のすごさについて、指原さんも2011年2月9日のブログで、驚いていることを明かし、「指原のためなんかに、みなさんくれぐれも無理をなさらず…」と呼びかけている。
サイトで有料投票を呼びかけるのは、新手のAKB商法になるのか。
ファンらの不満について、サイバードホールディングスの広報担当者は、「賛否両論たくさんのご意見をいただいており、こうした意見は、今後のサイト運営に役立てたい」とだけ話す。投票がどれだけあるのかやこうした意見への考え方については、近くサイト上で発表したいとしている。
指原さん所属事務所の太田プロダクションでは、担当者が「不満があることについては聞いています」と話した。そのうえで、「お金を取りっぱなしということではなく、ファンの方に特典で還元するとうたっています」と説明する。投票は、かなり集まっていると聞いているという。
AKB48を運営するAKSの広報担当者は、「指原の番組については、太田プロさんに聞いて下さい。内容については、まだ情報を認識していません」としている。
J-CASTニュースでは、TBSの宣伝部にも、取材を申し込んでいる。
なお、サイトを運営するサイバードは10日夜になって、投票が目標の3万票に達したことを明らかにした。放送終了後20時間強で目標に達し、投票を締め切ったという。このことを踏まえ、同社では、番組継続をTBSに交渉していくとともに、投票者には新たに300円を還元することに決めたともした。
ただ、AKB総合プロデューサーの秋元康さんからは、「痛烈なお叱り」を受けたという。その理由について、同社の広報担当者は、「お答えできない」としている。