高橋洋一の民主党ウォッチ
いよいよ民主党の内乱起こりそう 菅・与謝野の「詭弁」に反発

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2月中に民主党の危機が訪れる?

   普通の人の感覚は、民主党は4年間増税しないといったのだから、その間は増税法案も出さないと思うだろう。小泉総理も「任期中は増税しない」といって、その通り増税法案の用意もしなかった。小泉総理は、増税の前にやることがあるといって、国の資産売却や歳出カット、埋蔵金発掘をどんどんやって、「国民からもうやめてください。増税してください」とお願いがきたらやればいいし、それまではやらないといっていた。

   それにしても、菅総理は変節の激しい与謝野大臣について行って大丈夫だろうか。与謝野大臣は、2月7日の衆議院予算委員会で、竹内譲衆議院議員(公明党)に対し「子育て世代のほとんどの方はぎりぎりのところで生活されているので、生活にあてられるということが容易に想像できる」と子ども手当が消費に回るとして経済効果があると答えた。

   ところが、与謝野氏の自著「民主党が日本経済を破壊する」の56ページに、「公共事業などを抑制する代わりに子ども手当てなどを手厚く支給する『直接給付』でとたんに家計の懐が暖かくなり、個人消費が急増して景気がよくなるような説明を(民主党は)している。冗談ではない。『子ども手当』と名前をつけてお金を配っても、親がこどものための消費に回す保証などどこにもない」と書かれている。随分と変節するものだ。

   民主党は、マニフェストを改悪し、増税へと突き進んでいる。党内からも待ったが出そうだ。デフレ脱却に向けて日銀法の改正を目指す民主党の「日本銀行のあり方を考える議員連盟(仮称)」(代表発起人・川上義博参院議員ら)が近く発足する予定だ。メンバーのひとりは「今のデフレで財政再建だと言って、税収を上げようというやつは国賊だ」と与謝野大臣を批判。執行部に批判的な鳩山由紀夫前首相も参加を予定している。

   河村・大村コンビが減税を掲げて勝利した愛知のトリプル選挙の影響も大きい。いよいよ民主党の内乱が起こりそうだ。これでは予算成立も危うい。2月中にも民主党の危機が訪れるかもしれない。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」、「日本は財政危機ではない!」、「恐慌は日本の大チャンス」(いずれも講談社)など。


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