「記者と不倫」で警部懲戒 処分は重いのか当然か

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警察庁指針「不適切な異性交際は戒告」

   民間の場合はどうか。労働審判などに詳しい辻角智之弁護士によると、企業が懲戒を行う場合は、職場の秩序維持のためであり、不倫というプライベートなことは「ストレートには懲戒にはつながらない」という。

   不倫相手が職場で騒ぐ、などのケースは職場秩序の問題につながり兼ねないが、そもそも相手の主張が正しいのかどうかを含め事実確認が困難なこともあり、処分はせずに「丸くおさめるケースが多いようです」。もっとも、処分以前に会社に居づらくなって本人が辞めてしまうこともあるようだ。仮に会社が「不倫禁止、懲戒」の規定を定めていても、実際に会社側がそれを適用して処分しようとすれば、規定条項の正当性を争うこともできるという。

   公務員に話を戻すと、「警察官と担当記者の不倫」は、「学校の先生と保護者の不倫」に類するということなのだろうか、それとも警察官はほかの公務員とは違い、「不倫即懲戒」なのだろうか。

   警察庁も、人事院とは別に「懲戒処分の指針」を公表している。みてみると、規律違反とみなされる「私生活上の行為」の欄に「不適切な異性交際等の不健全な生活態度」という記述があり、懲戒の種類は「戒告」と書いてあった。警察職員の場合は、「不倫即戒告」と読める。今回の千葉県警のケースも戒告だ。

   ちなみに、処分公表の基準も警察庁は定めており、「私的な行為に係る懲戒処分」の場合、発表するのは「停職以上」となっている。戒告は対象外だ。もっとも、不倫相手が警察担当記者だった今回の場合、純粋に「私的な行為」なのか、「職務遂行上の行為」(この場合は戒告でも発表、ただし別途プライバシー配慮規定もある)にかかわる部分はないのか、素朴な疑問が残る人も少なくなさそうだ。

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