ルイヴィトンなど高級ブランド 日本での販売「底入れ」気配

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   リーマン・ショック以降の世界的な景気悪化の影響で、ルイヴィトンやエルメス、グッチといった海外高級ブランドの日本事業は長く「低迷」が伝えられてきたが、2010年はようやく底入れの兆しが見えてきたようだ。

   矢野経済研究所によると、2010年の国内市場の規模は9028億円の見込み。前年に比べて0.91%増えた。富裕層の消費が持ち直してきたことが背景にあるとみられる。ただ、かつてのような「ブランド信仰」は若者層を中心に薄れており、ピーク時(1996年、1兆8971億円)の半分以下にとどまる。

ブランド消費 日本は出遅れ続く

   海外高級ブランドの日本事業は、仏最大手のLVMH、モエヘネシー・ルイヴィトンの2010年10~12月期の国内販売高が3%減。10年通期は5%減で、09年通期の19%減に比べて、マイナス幅を大きく縮めるなど、底入れの気配がでてきた。

   「ルイヴィトン」や「ロエベ」、「セリーヌ」など60近くの高級ブランドなどを有するLVMHだが、レザー&ファッションからコスメティック、ワイン&スピリッツなど「すべてのカテゴリーで(売れ行きが)戻ってきました」と話し、2011年は増収への転換を見込んでいる。

   しかし、高級ブランドは海外市場ほど「復調」が鮮明。日本は出遅れているようだ。野村証券のノムラ・インターナショナルが2011年1月26日に発表した「欧州小売りセクター」レポートによると、LVMH(全社ベース)の売上高はその約半分をファッション&レザーグッズが占め、11年も2ケタの売上成長率を維持できるとみている。その成長の原動力になっているのは中国だ。

   2月4日にLVMHが発表した2010年の業績発表(全社ベース)によると、2010年の純利益は前年比73%増の30億3200万ユーロ(約3370億円)。バッグなどの皮革製品が好調で、「ルイヴィトン」ブランドの収入が寄与したとしている。このうち、日本のシェアは約9%にあたる。

ブランドごとで売れ行きに「差」がある

   海外の高級ブランドを取り扱う大手百貨店。日本百貨店協会によると、高級ブランド品は貴金属品を除くとバッグなどの「身のまわり品」に分類されるが、2010年12月の「身のまわり品」の売上高は前年同月に比べて0.1%増えて、2か月ぶりにプラスになった。

   クリスマス商戦も手伝ったが、婦人服や家電などが軒並みマイナスのところ、大健闘といえる。同協会は、「貴金属や時計は売れ行きもよかったと聞いています」と話す。

   とはいえ、高級ブランドの国内販売が「底入れ」したかというと、百貨店の見方は慎重だ。ある大手百貨店は、「高級ブランドの売上げは確かに戻りつつあります。ただ、確信をもって『戻っている』と断言できるほどではありません」と話す。

   「ファッションなどは、トレンドを上手に取り込んだブランドが売れています」(大手百貨店)とし、ブランドごとに売れ行きに差があるという。

   最近は中国人観光客などが日本で高級ブランドを買っていくケースが少なくない。前出の大手百貨店では「中国人観光客が海外の高級ブランドを購入するケースは、全店ベースで1割にも満たないので、売上げを左右するほどではありません」というが、一方で「貴金属や時計は日本のほうが安心と言って、買っていく中国人は多い」(別の大手百貨店)と話している。

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