本人からの請求でも「開示していない」
ケータイ本体で削除したメールデータは、サーバーなどに残っているものなのだろうか。データが残っているかどうかはキャリアによって違いがある。あるキャリアでは、データを残す有料サービスを行っており、メールデータならケータイ本体で削除したものを含め、数千件程度残して後で閲覧することが可能だ。同サービスを申し込んだ人でなければ、サーバー側にはメール内容は基本的に残らないという。
いつ誰にメールを送ったか、などの記録は残っているが、例え本人からの請求であっても「開示していない」そうだ。本人の請求に対して伝えるのは、料金にかかわる「何バイト使ったか」という「量」の情報ぐらいだ。
また、別のキャリアでは、申し込みの有無にかかわらず、約1か月はメールデータなどをサーバーに保存しており、ケータイ本体で削除したメールも確認できる。期間を超えるデータは、「基本的には料金請求にかかわるデータのみ」残っている。この会社も、「いつ誰にメールを送ったか」の情報は、本人からの請求であっても答えていない。
どうも調査委による「メール履歴データの提出要求」には、大きな壁が立ちふさがっているようだ。もっとも、週刊現代最新号(2月19日号)によると、大相撲八百長疑惑が発覚した際、「ある力士はこうボヤいていた。『メールなんか使うかよ!口だよ口!あんな証拠残しちゃダメだ』」。ただ、メールデータに頼らない八百長調査は余計に難しい。