財務省が2011年2月8日に発表した2010年の国際収支速報によると、モノやサービス、配当や利子など海外との総合的な取引状況を示す経常収支は17兆801億円の黒字となった。黒字額は前年に比べて28.5%増えた。
経常黒字が増えたのは3年ぶり。ただ、水準はピーク時の07年と比べると7割程度にとどまった。
輸出額は63兆9203億円で前年比25.7%増。輸入額は55兆9234億円で同19.4%増。貿易収支は、前年比98%増の7兆9969億円。為替レートは平均1ドル87円75銭で、前年と比べて6円近く円高ドル安で推移したものの、中国など新興国需要の拡大で、鉄鋼や自動車などの輸出が大きく膨らんだ。輸入額では原油や天然ガスの伸びが大きかった。
サービス収支は1兆4768億円の赤字。所得収支は11兆4768億円の黒字。
なお、同日に発表した10年12月の貿易黒字は、自動車などの輸出が好調で、前年同月比30.5%増の1兆1953億円だった。