八百長「過去はなかった」 協会の主張に「説得力」ナシ

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求
「過去も(八百長の)うわさはあったですよ。裁判沙汰になったこともある。(裁判には勝訴したことでもあり)それ(過去の八百長)についてはなかったと理解してます」

   大相撲の八百長メール問題を受け、相撲協会の放駒理事長は繰り返し、「今回新たに出た問題。過去には一切なかった」と主張している。一方で、今回八百長を認めた親方は、過去の八百長疑惑取材や裁判の際に「一切無い」と答えていた。相撲協会の主張に説得力はありそうにない。

「八百長は一切していない」と裁判で陳述書

八百長問題を報じる週刊現代と週刊ポスト
八百長問題を報じる週刊現代と週刊ポスト

   「八百長は過去にはなかったというが、証明する考えはあるか」。2011年2月6日の会見でこう記者から質問を受け、放駒理事長は、冒頭のように裁判の勝訴に間接的に触れながら「それについてはなかったと理解してます」と答えた。証明の必要なし、ということなのだろうか。2日の会見でも、「過去には一切なかった」「新たに出た問題」と繰り返し強調していた。

   理事長の念頭にある裁判は、週刊現代とのものだ。「調べもしないで『過去には一切ない』だと! 腐れ相撲協会はさっさと自主解散すべし」との見出し記事も載った週刊現代の最新号(2月19日号)は、5本の記事からなる「ぶち抜き大特集」をしている。「本誌の告発が実を結んだ!」と力のこもりようがうかがえる見出しもついている。

   同記事によると、相撲協会と力士・親方らは、「07年以降本誌に対し、計4件(原注:後に併合して3件に)の民事訴訟を起こしている(原注:別に刑事告発2件)」。いずれも協会側は「八百長など存在しない」と主張し、「どの裁判も1審、2審とも本誌側の敗訴」だった。上告も棄却され、敗訴は確定している。損害賠償額は計4785万円、記事取り消しの広告掲載も求める判決で「異例の厳しい内容だった」。

   この対週刊現代裁判で「賠償金を受け取ったうちの1人」が、今回八百長を認めた元幕内春日錦(現竹縄親方、以下春日錦)であることに注目したのは、2月7日放送の情報番組「スーパーモーニング」(テレビ朝日系)だ。

   番組によると、春日錦は原告のひとりとして「八百長は一切していない」との陳述書を08年7月に裁判へ提出していた。今回の八百長メールで八百長が行われたとされるのは、10年3月から6月だ。該当裁判が上告棄却で確定するのは10年10月で、番組は「つまり3月から6月に八百長していながら、裁判では八百長していないと主張していたことになるのだ」とナレーションで解説した。

   もっとも、陳述書の「一切していない」は、裁判で争われている記事(07年2~3月号)に関する取り組みについてのものである可能性もある。それはともかく、春日錦はすでに裁判が始まっていた08年秋、ロシア出身の元若ノ鵬から名指しで八百長を持ちかけてきた相手だとして指摘された人物だ。

姉妹サイト