ソニーPSP後継機を年内発売 どこまでスマートフォンに対抗できるか

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   ソニーは2011年1月27日、携帯型ゲーム機「プレイステーション・ポータブル(PSP)」の後継機となる「ネクストジェネレーション・ポータブル(NGP、仮称)」を年末に発売する、と発表した。第3世代携帯電話(3G)回線に接続できる機能を搭載し、通信機能を強化したのが特徴だ。

   任天堂も2月26日に裸眼で3D映像を楽しめる新たな携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」を発売する。いずれも米アップルの「iPhone」などゲーム機としても手軽に遊べるスマートフォンを意識しているが、どこまでゲーム専用機が存在感を示し続けられるかは分からない。

スマホの中でも特にアップルに対抗意識

   ソニーの新型機は現行のPSPの4倍の解像度を持つという、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)パネルを用いた5型画面を搭載する。画面の大きさ自体も現行機種の2倍程度に広がる。これにより「携帯型ゲーム機としてこれまでにない高精細な迫力ある映像を楽しめる」とソニーは説明する。画面に触れて操作するタッチパネル方式でもあり、iPhone4を少し進化させたかのような印象もある。

   通信機能の強化で、外出時でもゲームソフトのほか映画や音楽などもダウンロードしやすくなる。また、通話はできないが、遠隔地にいるNGPユーザーと文字で会話することも可能。全地球測位システム(GPS)機能も付けたことで、自分の近くにいるNGPユーザーの間でどういうゲームが遊ばれているか、なども分かるという。

   ソニーはこれとは別に年内をメドにゲームのダウンロードサービス「プレイステーション スイート」を立ち上げる。アップルのライバルである米グーグルの基本ソフト(OS)アンドロイドを搭載したスマートフォンやタブレット型端末向けに、プレイステーションで人気のあったソフトなどを配信するサービスで、スマホの中でも特にアップルに対抗意識を持つことを隠していない。

6年程度の寿命があるゲーム専用機が対抗し続けられるのか

   一方の任天堂も、無料もあるスマホに比べて割高感があるゲーム専用機の「ハンデ」を少しでも軽くしようと、ニンテンドー3DSでは本体にあらかじめ複数のゲームを組み込む新機軸を打ち出した。また、テレビ局が無線で無料配信する3D映像の受信サービスを始めるなど通信機能も強化している。

   任天堂の携帯型ゲーム機は2004年12月の発売以来、ほぼ6年ぶりのシリーズ刷新ということもあり、ファンに「飢餓感」があったためか、3DSの予約は好調で、2月26日の発売日の販売分は各家電量販店での受け付けを終了した。

   ただ、NGP、3DSとも、大人ユーザーを獲得し続けた従来機のように、コアなユーザー以外の顧客層に広がりが出るかどうかについては、見方が分かれている。ある外資系アナリストは「年を追うごとに世界中のメーカーがグレードを上げるスマホやタブレット端末に、6年程度の寿命があるゲーム専用機が、発売当初はともかく、対抗し続けられるのか」と疑問を呈する。スマホの成長力にどこまでゲーム専用機がついていけるか、ソニー、任天堂の思惑通りには一筋縄でいかないのが実情と見られる。

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