留学生1万人がそのまま就職?
厚生労働省の調査では、外国人労働者のうち17%、11万586人を占める「専門的・技術的分野の在留資格者」はここ数年、毎年約1万人ずつ増えている。2010年10月末も、前年同期に比べて10.2%増えた。
「専門的・技術的分野の在留資格者」の多くは留学生で、同省は「これは毎年、留学生が日本企業に新たに就労する人数とほぼ同じになります。留学生が卒業後、そのまま就職していると考えてもいいでしょう」と説明。企業の留学生ニーズの高まりとともに、留学生が日本企業に就職するケースも増えているようだ。
そうなると、日本人新卒者の就職がますます厳しさを増しそうだが、「ここ数年は横ばいなので、これが2万人、3万人と急激に増えることは考えにくいです」とも話す。
一方、外国人労働者の雇用が増えているとはいえ、雇用形態はアルバイトや期間工といった「短期雇用」が多くを占める。なかでも多いのが「電気機械器具製造業」と「輸送用機械器具製造業」。エコカー補助金や家電エコポイントで潤ったことを踏まえると、景気動向しだいで、再び職を失う恐れも少なくない。
厚労省は、「定住者が増えていることを考えると、以前に期間工などで働いていた人が離職後も日本に残り、就職活動をしていたことがうかがえます。アルバイトで生活を維持し、また期間工として戻ってきている人は少なくないようです」とみている。
外国人労働者は東京が最も多く、全国で占める割合は23.8%。愛知(12.1%)、静岡(6.0%)、神奈川(5.9%)、大阪(5.3%)の順だった。