新聞各社の広告収入の減少が続くなか、朝日新聞が掲載した広告特集が話題を呼んでいる。登場したのは、人気アイドルグループ「嵐」。日本を代表する人気漫画家がメンバーの肖像画を描くというもので、ブログやツイッター上で「これはすごい」といった書き込みが続出。バックナンバー購入の問い合わせも相次いでいるという。
広告は、2011年2月3日の朝刊に「ARASHI Meets MANGA 僕らの肖像」と題して8ページにわたって掲載された。
ドラマやアニメの原作者がメンバーの肖像画書き下ろす
通常の新聞用紙よりも白い「FMプレミアム紙」と呼ばれる特別な紙を使用。松本大洋さん(鉄コン筋クリート)、羽海野チカさん(ハチミツとクローバー)、神尾葉子さん(花より男子)、長友健篩さん(バーテンダー)、藤子不二雄Aさん(怪物くん)といった、メンバー5人が主演したドラマやアニメの原作者が、それぞれのメンバーの肖像画を書き下ろすというものだ。
紙面の下3分の1が広告スペースで、スポンサーは、すでにCMに嵐を起用しているKDDI、任天堂、日本航空(JAL)、日立アプライアンス、ハウス食品の5社。
嵐は10年4月に、観光庁から初代「観光立国ナビゲーター」に任命されており、日本文化の海外PRに一役買っている。このことから、朝日新聞社広告局では、
「海外に向けて日本の魅力を発信することになった『嵐』と、同じく世界に向けて強い発信力を持つ日本のマンガのコラボレーションによって、日本のソフト文化のすばらしさを訴えようというものです」
と狙いを説明。
もっとも、「若年層に訴求するために、インパクトの大きいことをしたい」という朝日新聞社と、2月4日に始まる相葉雅紀さんの主演ドラマ「バーテンダー」(テレビ朝日系)のPRをしたいジャニーズ事務所の利害が一致したという面もあるようだ。
入手方法について100件近い問い合わせ
広告企画としては異例の反響だったようで、「駅売り」では売り切れも続出。朝日新聞が運営するツイッターアのアカウントも、
「嵐ファン、注目です! きょうの朝日新聞朝刊は、嵐とマンガで計8ページの全面広告特集。すごい反響です」(東京本社報道局・編成局)
「今日の朝刊、各売店は売り切れ続きのようです。嵐やっぱスゴ。まだGETしてない方はお近くのASA(朝日新聞販売所)でお求めになれますよ!」(会員制ウェブサイト「アスパラクラブ」)
と、大はしゃぎだった。ツイートには、嵐についての話題に使う「#arashi」というハッシュタグがついていたことから、ネット上でも話題が拡散。
「朝日新聞、ゲットしました(^o^)丿」
「私は嵐のファンではないんだけどこれ確かにすごいね」
「ほんとほんと。昨日の企画は楽しかった」(2月4日の書き込み)
といった、好意的な書き込みが目立った。
朝日新聞社広報部によると、2月4日13時までに、バックナンバーの入手方法について100件近い問い合わせがあったほか、
「また明るいページを企画して欲しい」
「永久保存版にします」
といった声が寄せられたという。