小沢元代表処分も結局「腰砕け」 民主党お得意の「最初威勢よく最後は…」

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   強制起訴された民主党の小沢一郎元代表への対応を巡り、党内の迷走がまだ続いている。処分内容どころか処分するのかどうかも定まらない状態だ。「菅首相はすでに『詰んでいる』のではないか」とするネットコラムが注目されているが、党内の混乱が続けば「詰んでいるのは民主党…」となりかねない情勢だ。

   「小沢氏処分、首相腰砕け」(時事通信)、「小沢元代表処分 及び腰の対応でどうする」(西日本新聞社説)――民主党役員会が小沢氏の処分に関する検討に入った2011年2月3日の様子を伝えたニュースでは、こんな見出しや記事が並んだ。

日経「最後はうやむやになる結末を再び…」

どうなる小沢氏処分問題
どうなる小沢氏処分問題

   同役員会では、離党勧告や党員資格停止などの処分をすべきかどうかを巡って賛否両論が出て結論はまとまらなかった。週明けに再協議する予定だが、中間派議員には厭戦ムードも漂っている。

   菅直人首相は同日夜、「時間を(いつまでと)きるよりも、しっかりと議論して判断すべきだ」と言い始めた。首相は11年の年頭記者会見という節目の場で、小沢氏の名前を出して「起訴されたら政治家として出処進退を明らかに」と話していた。「出処進退」の意味について記者から「小沢氏が議員辞職すべきだという考えなのか」と質問され、否定はしなかった。

   こんな情勢を受け、「菅首相も『腰砕け』の様相だ」(読売新聞)、「政倫審への出席を求める議決断念に続き、処分問題でも迷走する執行部」(日経新聞)といった報道が続く。日経新聞の総合・政治面では「最初は威勢よく拳を振り上げるものの、最後はうやむやになる結末を再びたどるのか」と指摘している。

   小沢氏が強制起訴されたのは1月31日だが、検察審査会による2度目の「起訴議決」が公表されたのは10年10月4日だ。この段階から、近く小沢氏が強制起訴されることは周知のものとなった。小沢氏が国会で説明すべきなのか、説明不要なのか、説明するとすれば、政治倫理審査会なのか証人喚問か、強制起訴後は離党すべきか、離党不要なのか、といった議論はこのときから始まった。もう4か月も前のことだ。

   しかも、あくまで「強制起訴」関連に限った話で、そもそもの小沢氏の「政治とカネ」を巡る政倫審出席話は、少なくとも10年春ごろからは続いている。

   11年2月3日の民主役員会での議論では、処分反対論者から「裁判で白黒つくまで何もしなくて良い」などの声が挙がった。同じ論法は10年10月から小沢氏寄りの議員らによって繰り返されている。マスコミの論調では、「法的な責任と政治的・道義的責任は別」との議論をよく目にするが、民主党は4か月も堂々巡りを続け、いまだ議論の出発点すら整理できていないようだ。

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