公益法人認定取り消しの可能性
八百長の存在が言われた背景について、このジャーナリストは、こう指摘する。
「大相撲では、十両に上がると給料が毎月80万円ぐらいもらえるのですが、幕下に陥落すれば、給料はまったく出ないんです。だから、落ちる可能性が出てきたときは、星を買いたいと思う力士も出てくるわけです。いわば角界の互助会のようなもので、八百長に応じる力士も生活を助けてあげなければと思って応じている可能性があります」
高木義明文科相は、所管する相撲協会に対し、公益法人の認定を取り消すことも「あり得る」と言明している。法改正に伴う新しい公益法人への移行についても、政府閣僚らから「現状では厳しい」との声が相次いだ。それだからこそ、協会幹部は、過去のことも含めてこれ以上の疑惑拡大を防ぎたいわけだ。
もし公益法人取り消しになれば、多額の内部留保金を国に返納するなどしたり、場合によっては両国国技館を返上したりしなければならない。それだけになおさら、早く事態を収拾したいようだ。
前出のスポーツジャーナリストは、こう言う。
「警視庁がメールの存在を明かすなどして動くというのは、尋常の事態ではありません。前回の野球賭博では、取り消し危機を逃れたようですが、今度は、そう簡単には乗り切れないでしょう。もし取り消しなどになれば、プロレスのように独自に興行しないといけないでしょうし、NHKも放映しなくなる可能性があります。ですから、ますます大相撲が廃れていくようになってしまいますね」