日本ハムファイターズのルーキー斎藤佑樹投手について連日、スポーツ紙やテレビのワイドショーが大々的に報じている。新聞や雑誌はこれで売れ、視聴率も取れる、ということらしい。報道合戦は熱を帯びる一途で、沖縄県名護市にキャンプインした2011年2月1日朝は、ファイターズファン200人に対し報道陣が300人集まるという異常事態になった。
報道陣は400人まで膨らむ
ファイターズが札幌ドームで2010年12月9日に行った斎藤投手の「入団会見」には報道陣220人と30台を超すテレビカメラが並んだ。東京からアナウンサーを派遣する社もあり、NHKや民放各局のニュース番組でも大きく取り上げられた。
千葉県鎌ケ谷で11年1月12日に行われた初自主トレには報道陣230人、テレビカメラ40台。2月1日の沖縄県名護市のキャンプの朝は、ファン200人に対し報道陣は300人に達したという。最終的に報道陣は400人に膨れあがった。ファンは800人だった。テレビカメラは約50台。上空にはヘリが空撮のために舞った。
斎藤投手が寮や宿舎に移動するときは、その後を報道陣がついて回る。地元住民から苦情が出ていると報じるメディアもある。これだけメディアに注目されるのは、斎藤投手について報道すれば新聞や雑誌が売れ、テレビ番組の視聴率が取れるからなのだそうだ。
11年2月2日の朝のワイドショーを見ても、日本テレビ「スッキリ!!」、テレビ朝日「スーパーモーニング」、TBS「朝ズバ」、フジテレビ「とくダネ!」など全国キー局は全て斎藤投手の特集を組んでいる。
「視聴率は平凡でも取材の手を緩めるわけには行かない」
ファイターズ地元のHBC(北海道放送)は、1日の午後1時55分から約5時間に渡り斎藤投手を完全生中継する、と発表し注目を集めた。実はHBC、10年12月9日の入団会見も約5時間に渡りオンエアした。この時は普段の放送より視聴率が高かったため、その第二弾として放送を決めた。
それでは2月1日の視聴率はどうだったのか。HBC 広報に話を聞いてみると13:55~14:55が4.0%。14:55~15:55が2.3%、15:55~16:55が2.4%。16:55~17:45が3.7%。
「普段とあまり変わらない数字でした」
と同局広報は振り返る。斎藤選手に密着するため「佑ちゃんカメラ」を用意し一挙手一投足を追いかけたのだが結果は出なかった。他局でも斎藤投手のキャンプの様子を放送していたため、視聴者をHBCだけに釘付けにすることは難しかったようだ。今後、5時間特番を組むかどうかは今回の放送の結果を分析して決めるという。
「斎藤選手は時の人ですから全マスコミが追っています。今回の視聴率がどうだからといって、私達が取材の手を緩めるわけには行きません」