百度サイトに違法コピー続出 人気漫画や水着写真集まで

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   中国の検索エンジン「百度」(バイドゥ)の日本法人が開設したファイル共有サイトに、人気漫画や雑誌をスキャンしたファイルが大量にアップロードされているとして、問題化している。同サイトは、元々国内のベンチャー企業が運営していたものを百度が譲り受けものだが、かなり以前から著作権侵害の問題が指摘されていた。

10年11月に百度がベンチャー企業のサイトを買収

「Baiduライブラリ」の画面。漫画の単行本が大量にアップロードされている
「Baiduライブラリ」の画面。漫画の単行本が大量にアップロードされている

   サイトは、07年9月に、ベンチャー企業「イデアルリンク」が、「みんなで創るドキュメント図書館」をキャッチフレーズにオープン。このときのサイトの名前は、「ホットドックス」(Hotdocs)というものだった。PDF形式でアップロードしたファイルを、フラッシュ形式で本のようにめくれるといった特徴を備えていた。

   同サイトのコンテンツを百度が譲り受け、10年11月からは「Baiduライブラリ」としてリニューアル。他者がアップロードしたファイルに対して評価(レビュー)をすることができるようになった。同サイトのトップページの表記によると、約25万件の文書が登録されているという。だが、その中には、明らかに著作権者の了解を得ずに違法にアップロードされたと思われるものが多い。サイトでは「専門文書」「生活・文化」といった具合に区分されているのだが、「漫画・コミック」の分野では、「機動警察パトレイバー」「ワンピース」「ゴルゴ13」「仮面ライダー」といった有名作品の単行本全体をスキャンしたとみられるファイルが大量に目に付く。「語学検定」の分野では、TOEICの問題集や参考書、「趣味・ホビー」の分野には、「蓮舫 お宝水着写真集」といったものすらある。

切込隊長「私が権利者なら今日にでも弁護士事務所へゴー」

   「Baiduライブラリ」の利用規約には

「権利者からの許諾を得ていない場合、または他人の著作権を侵害するドキュメントをアップロードする行為は一切禁止されます」

と、一応のガイドラインを定めている。だが、違法ファイルの削除などの対策が進んでいないのが実情のようだ。

   もっとも、この問題は今に始まったことではなく、サイトが百度に移行される前の09年7月の段階で、当時の運営会社のブログで、

「弊社内でも監視体制を強化し、パトロールを続けておりますがこの場を借りて今一度申し上げます。権利者の許諾を得ないコンテンツのアップロードは禁止です!!」

という注意喚起が行われているし、運営が百度に移行した直後も、違法ファイルの多さが指摘されたという経緯もある。

   この問題をめぐっては、11年2月1日、アルファブロガーとして知られる「切込隊長」こと山本一郎さんが、ブログで

「大丈夫なのか、というか、大丈夫じゃなさ過ぎて本気でヤバイ。私が権利者なら今日にでも弁護士事務所へゴーという感じの、凄まじい逸品に仕上がっております」

などと批判。サイトを批判する声がネット上に拡散していた。

   百度日本法人の担当者は、

「違反コンテンツを監視するためのシステムを導入しており、疑わしいものははじく(削除する)ようにしている。人の手を入れてチェックもしているが、改善の余地はある」

と話している。

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